足利氏が京都に開いた武家政権。1338年から1573年までの約240年間つづいた。第3代将軍足利義満が,京都の室町の邸宅(花の御所)で政治をとったので,室町幕府といわれた。
〔室町幕府の成立〕
建武の
新政に対する
武士の
不満を見て,
足利尊氏が
武家政権の
再興をはかり,
持明院統の
光明天皇をたてて1338年に
征夷大将軍となり,
京都に
幕府を開いた。第3代
義満が
室町に
幕府をおき,1392年に
南北朝を合一して全国を
統一,
大内氏などの有力
守護を
討ち,
明(中国)と
勘合貿易を始めて
幕府の
最盛期をつくりあげた。しかし,
一般に
将軍の力は弱く,
室町幕府は有力
守護の
連合政権のようであった。
コーチ
とくに
室町時代中期,第8代
将軍義政のときの
応仁の
乱以後,
幕府の
権威はなくなり,第15代
将軍義昭が
織田信長に
京都を追われて
幕府は
滅亡した。
〔室町幕府のしくみ〕
鎌倉幕府にならったものであるが,
執権に相当する
管領の
権力は弱かった。
管領の下に
政所・
問注所・
侍所がある。また,地方
機関としては
鎌倉府・
九州探題などがおかれ,
諸国に
守護・
地頭をおいた。
室町幕府のもとでの
守護の
権力は,
鎌倉幕府とはくらべものにならないほど強く,
幕府は
将軍を中心とした有名な
守護大名の
連合体の
観があった。
幕府の
財政は
直轄地(
直接の
支配地)からの
収入のほか,酒屋や
土倉に対する
課税,
明(中国)との
勘合貿易の
利益などでまかなわれた。