「5月の嵐」。春に日本海で台風なみに発達した低気圧がもたらす暴風雨。春になってもシベリア側にまだ冷たい空気が残り,太平洋側から温かい空気が流れこんだ場合に日本海で猛烈に低気圧が発達する現象が起こることがある。24時間に気圧が24hPa以上下降する「爆弾低気圧」の一種で,1954(昭和29)年5月10日,北海道近海で船348隻を沈没させ,死者361名を出した暴風雨をもたらしたものもそれで,以来「メイストーム」とよばれるようになった。5月ごろに起きるのがふつうだが,2012(平成24)年4月3日,日本全域を吹き荒れ,各交通機関をまひさせた暴風雨も同じ現象である。