16世紀末,豊臣秀吉が全国統一をなしとげたころにさかえた文化。
〔雄大・豪華な文化〕
織田信長や
豊臣秀吉が国内
統一を進めた
安土桃山時代には,新しく
勢力をのばした大名や海外
貿易で
活躍した大商人の気風を
反映して,
雄大・
豪華で活気にみちた文化がさかえた。
仏教文化の色あいがうすれて,人間中心の
傾向が生まれ,
南蛮文化の
影響も受け,
庶民の文化が広まるようにもなった。
〔文化の内容〕
(1)
建築・絵画…
支配者の
権威をしめす
壮大な
城(
安土城・
大阪城・
伏見城・
姫路城など)がきずかれ,高くそびえる
白壁の
天守閣がつくられた。書院
造をとりいれた
聚楽第(
豊臣秀吉が
京都にたてた
壮大な
邸宅)などの
建物には,
狩野永徳・
山楽,
長谷川等伯らによって
豪華な
障壁画(ふすま・
屏風などにかかれた絵)がえがかれ,花鳥の
彫刻もほどこされた。また,当時の
風俗を写した
風俗画や
南蛮屏風もかかれた。
(2)茶道・
芸能…
千利休によって,茶の湯が茶道として
大成され,湯のみなどの
陶器が
各地でつくられ,
豊臣秀吉の
朝鮮侵略で日本へつれてこられた
朝鮮の
陶工によって有田
焼(
佐賀県)などが生まれた。いっぽう,
出雲大社の
巫女の出といわれる
阿国が
京都で
歌舞伎踊りを始めて人気を集めた。また,小歌が流行し,このころ生まれた
三味線(
琉球からつたわった
三線をもとにつくられた)を
伴奏とする
音曲語り物の
浄瑠璃や,
三味線や
浄瑠璃に合わせ人形をあやつる人形
浄瑠璃もおこって,多くの人々によろこばれた。