ウイルス性肝炎のうち,医療行為,特に薬剤の投与によって感染がひきおこされたものをいう。ウイルス性肝炎はウイルスの型によって分類され,A型,E型は経口感染による流行性肝炎,B型は血清肝炎,同様にC型,D型も血液を介して感染する。B型,C型は慢性化して肝硬変や肝臓がんに移行しやすい。C型肝炎は,C型肝炎ウイルス(HCV)が発見される1980年代後半までの手術のさいの輸血,非加熱血液製剤フィブリノゲンの投与,注射器の使い回しなどの医療行為による感染が多くを占めている。◇薬害C型肝炎については患者側が製薬会社と薬を承認した国を相手どりあいついで訴訟が起こされてきたが,2009(平成21)年11月,国は責任を認め,薬害C型肝炎および医療ミスによるB型肝炎患者の救済をもりこんだ肝炎対策基本法を成立させた。