(1889〜1961)大正〜昭和時代の思想家,芸術家。民芸運動の先駆者で,「民藝」という新語をつくった。海軍少将で数学者の柳楢悦の三男として東京に生まれる。学習院高等科在学中に志賀直哉らと雑誌『白樺』を創刊。東京帝国大学文学部を卒業。民衆のつくる生活工芸品に美を見出し,バーナード=リーチ・濱田庄司・河井寛次郎らとその価値を高める運動(民芸運動)を進める。陶磁器をはじめとする朝鮮の芸術に魅せられ,1924(大正13)年,現在のソウルに朝鮮民族美術館を設立した。1936(昭和11)年には日本民藝館を開設して,館長となった。当時軽視されていたアイヌ文化や沖縄文化にも注目した。日本の朝鮮支配に反対したことでも知られている。◇工業デザイナーの柳宗理は長男。