(1931〜2013)昭和・平成時代の文化人類学者・評論家。北海道生まれ。1955(昭和30)年,東京大学卒業,60年,東京都立大学大学院修了。アジア・アフリカを中心とした文化人類学を考究。65年からは東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で研究活動を行い,89年,研究所長。70年代から活発に雑誌投稿を開始,両性具有・トリックスター(いたずらもの)をテーマに,「中心と周縁の理論」を展開した。構造主義・記号論の紹介者としても知られ,90年代以降のニューアカデミズムの思想に大きな影響をあたえた。84〜94年,季刊雑誌「へるめす」編集同人。74年に『歴史・祝祭・神話』,77年に『知の遠近法』を刊行,95年の『「敗者」の精神史』で大佛次郎賞を受賞。以降,『内田魯庵山脈』(2001年)など旧江戸幕府幕臣,趣味人の系譜の人びとの研究を行う。業績は『山口昌男著作集』全5巻,『山口昌男ラビリンス』にまとめられている。