よろい【〈鎧〉】 鉄や革(かわ)でつくった防御(ぼうぎょ)用武具(ぶぐ)の一種(いっしゅ)。胸(むね)や腹(はら)を前後から鉄板などでつつむ短甲(たんこう)と,長方形の小札(こざね)を革(かわ)や組ひもでつづった挂甲(けいこう)に大別(たいべつ)される。短甲(たんこう)はおもに歩兵(ほへい)用,挂甲(けいこう)は5世紀(せいき)ごろ朝鮮(ちょうせん)半島よりもたらされ,行動に便利(べんり)なので,おもに騎兵(きへい)用に用いられた。平安時代より室町(むろまち)時代にかけて騎兵戦(きへいせん)から大鎧(おおよろい)がつくられ,徒士(かち)用の胴丸(どうまる),装束(しょうぞく)の下につけた腹巻(はらまき)も用いられた。やがて大鎧(おおよろい)はしだいにすたれ,鉄砲(てっぽう)の伝来(でんらい)(16世紀(せいき)半ば)以降(いこう),鉄を多く用いた具足(ぐそく)とよばれるものになった。