りゅうかてつ【硫化鉄】 鉄と硫黄(いおう)が化合した硫化(りゅうか)物。(1)硫化(りゅうか)鉄(Ⅱ)。化学式 FeS 硫化水素(りゅうかすいそ)発生用の市販(しはん)品は灰黒色片(かいこくしょくへん),または板状塊(ばんじょうかい)。純粋(じゅんすい)なものは無色(むしょく)または淡褐色(たんかっしょく)の結晶(けっしょう)。加熱(かねつ)すると,鉄と硫黄(いおう)に分解(ぶんかい)する。(2)硫化(りゅうか)鉄(Ⅲ)。化学式 Fe2S3 黒色の粉末(ふんまつ)。しめった空気中でたやすく酸化(さんか)され,酸化(さんか)鉄水和物と硫黄(いおう)とになる。空気をたって加熱(かねつ)すると,硫化(りゅうか)鉄と二硫化(にりゅうか)鉄との混合(こんごう)物になる。(3)二硫化(にりゅうか)鉄。化学式 FeS2 黄金色の結晶(けっしょう)。天然(てんねん)には黄鉄鉱(おうてっこう)として産出(さんしゅつ)。空気中で加熱(かねつ)すると,酸化(さんか)鉄と二酸化硫黄(にさんかいおう)になる。