気候帯の1つで,温帯と寒帯の中間の気候帯をいう。亜寒帯・冷温帯ともいう。
〔気候の特色〕
ケッペン(ドイツの気候学者)の気候区分によれば,最寒月の平均気温が-3℃以下,最暖月の平均気温が10℃以上の地帯をいう。ほぼ北緯40度以北で,ツンドラのあらわれる北極圏以南のユーラシア・北アメリカ大陸の北部地域がこれに相当する。比較的高温の短い夏と,寒さのきびしい長い冬が特徴。河川の凍結期間や積雪期間は数か月におよぶ。気温の年較差がひじょうに大きいため,季節の急激な移りかわりにともなって,景観がいちじるしく変化する。
コーチ
夏は短いながらも気温が上がるので,生育期間の短い作物がかなり高緯度まで栽培されている。
〔冷帯の森林〕
大部分の地域は針葉樹の原生林で,シベリアでは「タイガ」とよばれている。その分布は樹木・作物の生育期間(月平均気温10℃以上)が4か月以下の地域と対応している。森林の中にはテン・キツネ・リスなどの毛皮獣が多い。産業は狩猟が主体であったが,近年は林業や農業がさかんになった。