平安時代末期から室町時代にかけて,歴史を和文体によって物語風に書いた作品のこと。おおむね史実にそって書かれるもので,藤原道長の栄華を中心にした平安時代の『栄花(華)物語』や『大鏡』『今鏡』,鎌倉時代の『水鏡』,南北朝時代の『増鏡』などをいう。◇歴史の著作物は,それまでは「六国史」(『日本書紀』以下6つの官撰の歴史書)のように,いずれも朝廷の手になるもので漢文で書かれていた。
コーチ
歴史物語のうち『栄花物語』『増鏡』は編年体(年代順),『大鏡』『今鏡』は紀伝体(人物別)という方法で書かれている。