西アジア,地中海に面する国。政体は共和政で,元首は大統領。首都ベイルート。地中海岸に並行して2つの山脈が走り,平地は海岸平野と両山脈間のベカー高原のみ。農業の中心は野菜・果実で,穀物は自給できない。古代にフェニキア人が多くの都市国家をきずき,商業活動に従事した。ローマ・アラブ人・オスマン帝国などの支配をへて,第一次世界大戦後フランスの委任統治領となり,1943年独立。住民の大部分はアラブ人であるが,宗教はイスラム教の諸派,キリスト教の諸派があって複雑。1958年からたびたび内戦が発生,イスラエルの侵攻やシリア軍の進駐もあって混乱したが,1991年に平和が回復した。面積:1.0万km2,人口:423万。
〔国名の由来〕
「白の山脈」を意味する古代のアラム語に由来する。
〔国旗の由来〕
赤は犠牲,白は平和を表す。白地中央のレバノンスギは国のシンボル。フェニキア人はこの木で船をつくり,地中海各地に進出した。