(1)古代,本籍地をはなれ他国に流浪する者。浮浪人ともいう。
(2)室町時代,一定の生活の根拠をうしなった武士のことをいうようになり,牢人とも書く。戦国時代には数をまし,戦乱の中で手柄を立て,再仕官の道をもとめる者,また立身して城主となるものもあった。江戸幕府創立当初は,関ヶ原の戦いや大阪の陣などにより,また幕府が反徳川家の疑いのある大名をとりつぶしたことから浪人(牢人)が激増し,慶安事件のような浪人の反抗事件がおこるなど社会問題化した。このため幕府は,対大名政策をゆるやかにした。◇現代では,入学試験や就職に失敗し,次の機会のために待機している状態を,(2)にたとえていう。