低湿地で,水害防止のため,宅地や耕地の周囲に堤防をめぐらした地域。
【なりたち】
岐阜・大垣両市付近から南の木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)下流地域に発達し,鎌倉時代以降,本格的に形成されたといわれる。洪水の被害をふせぐため,家屋は自然堤防上,あるいは2〜3mの盛り土をしてたてられ,屋敷内に洪水時の避難場所となる水屋をもうけたものもあった。
【輪中の変化】
明治時代以後,大規模な河川改修工事が行われた結果,輪中は分割・統合され,洪水もいちじるしく減少した。さらに,土地改良によって湿田の乾田化が進められ,野菜のビニル栽培も行われるようになった。◇現在では,水屋はほとんどとりこわされている。