わび【侘び】 日本の精神的(せいしんてき)な美の理念(りねん)。中世の和歌・連歌(れんが)では,さびしい清浄(せいじょう)の世界を表し,茶道にとりいれられて,しずかな奥(おく)深い心境(しんきょう)を表す語となった。やがて江戸(えど)時代の松尾芭蕉(まつおばしょう)の俳諧(はいかい)に受けつがれて,わびしさをこえた閑寂(かんじゃく)の境地(きょうち)となった。今日でも,日本的(にほんてき)な美の境地(きょうち)・理念(りねん)を表す言葉として用いられる。