「地球防衛隊SDGs」第29話解説編「長寿大国の日本にもある! 健康問題」
ちょっとむずかしそうだけど、
健康がテーマのまんが第29話はコチラ!
平均寿命 トップクラスの日本 。高齢 化 にともなう健康 問題 が深刻 ?
ねえ、スモール。
途上国に比べて日本は、医療サービスが充実しているよね。だから長生きできる人が多いんじゃないかな。学校でも「日本は長寿大国」って教わったよ。他の国に比べて平均寿命はトップクラス(※)なんだって。
※厚生労働省によると、2020年の日本人の平均寿命は、女性が87.74歳(世界1位)、男性が81.64歳(世界2位)
たしかにそうだね。
でも、そんな日本にも、健康に関する問題はある。先進国で進んでいる健康問題について、あらためてまとめてみよう!
【先進 国 で進 む健康 問題 】
①「生活習慣病」の増加
食事や運動・アルコール・たばこ・ストレスなどの生活習慣が原因で生じる病気の総称。がんや糖尿病なども生活習慣と深く関わっている病気だと言われている。
②高齢化に伴う「寝たきり」や「認知症」の増加
平均寿命が延びたことで、老いにともなう病気――たとえば「寝たきり」や、記憶・判断力の障害が起きる「認知症」――が進み、介護の手が必要な人が増えている。
③ストレスを感じる、やる気が出ないなど、「心の健康」問題
先進国ほど、精神的な不調や精神疾患の増加が問題になっている。
◇大人だけではなく、子どもの「心の健康」問題も
ユニセフが先進国の子どもたちの精神的・身体的な健康について調査したところ、精神的幸福度(生活満足度が高い子どもの割合や、自殺率を指標に使用)が38カ国中37位(※)と、最下位に近い結果になった。
※ユニセフ報告書(2020年9月)レポートカード16「先進国の子どもの幸福度をランキング~日本の子どもに関する結果」を参照
パパが仕事で忙しかったとき、夜遅くにたくさん食べる日があったり、逆に1日中何も食べない日があったりしたんだって。ストレスが心配ってママも言ってた。でも、生活習慣が乱れても、すぐ病気になるわけじゃないよね。なんかピンとこないなぁって……。
そこが生活習慣病のおそろしいところなんだ!
たとえば、高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、はじめは自分で「病気だ」とわかるほどの症状がほとんどないと言われている。気がつかないうちに病気が進行した結果、ある日突然、狭心症や脳卒中などを引き起こして、命に関わることもあるんだよ。だから生活習慣病は“サイレントキラー”(静かなる殺し屋)と呼ばれているんだ。
ええええっ、こわい!!!
こわがらせてごめんね。好ましくない習慣や環境が積み重なると、そういうリスクがあるってことを伝えたかったんだ。
日本は医療技術の高さや、医療サービスの充実といった面で、世界をリードしている。でも、その分、少子高齢化にともなう健康問題についても、しっかりと向き合っていかなきゃいけないね。
すぐに空たちができることはあるかな? 運動をするとか、いやだなって思うことをガマンしすぎないとか…?
そうだね。
この3つを意識してみたらどうかな?
①自分の体にあった運動をしよう!
②規則正しい生活と、栄養バランスのよい食事をしよう!
③過度なストレスをためこまないよう、困ったことや、悩んでいることは周りの人に相談してみよう!
わかった、ちょっとずつ意識してみるよ!
おばあちゃんになっても元気でいられるように、頑張ろう!
さすが空!「健康寿命」を延ばすことは、SDGsにつながっているからね!
途上国と先進国、それぞれちがう理由で、健康の問題があるんだなあ。
世界中のみんなが健康でいられるように、取り組んでいかなきゃいけないね。
まずは空の健康から!…わかってるって、おやつの食べ過ぎには気をつけるよ。
構成・文/塚田智恵美
イラスト/奈良裕己