トキは100年以上前、明治時代の中ごろまでは、日本の各地にふつうにすんでいたといわれている。ところが、その美しい羽をとるために鉄砲でうち殺されるようになって、急に数が減っていったんだ。
さらに、トキの好きな森や湿地が減るなどして環境も悪くなり、80年ほど前にはほとんど見られなくなった。
また、昭和40年に幼鳥2羽「カズ」と「フク」を保護したのだが、翌年、カズが死亡。解剖してみると体内から大量の有機水銀が検出され、農薬が減少の原因のひとつとも考えられた。1981年には、最後に生き残った佐渡のトキ5羽が生けどりにされて、トキ保護センターで飼育されるようになった。けれどもつぎつぎに死んでいった。そして2003年、最後に残っためすの「キン」1羽が死んで、日本産のトキは絶滅してしまった。今残っているトキは中国産だけなんだ。