工業製品や食品を作る工場では大量の水を使う。工場で使い終わった水を工業排水という。
工業排水には洗剤やよごれのほかにたくさんの化学薬品が混じっており、中には水銀やカドミウムなど、生物に有害な物質をふくんでいる場合がある。以前は工業排水をそのまま川や海に流していたのだけれど、それによって「水俣病」や「イタイイタイ病」などの病気が発生し、多くの犠牲を出したことから、現在では、敷地内できれいな水に処理してから排水する決まりができた。
工場から出る水には直接流れ出るもの以外にも、土にしみ込んで地下水となるものもある。今、動いている工場だけでなく、以前工場があった土地にも有害物質が残っており、それらが地下にしみこみ、地下水にとけこんでしまう場合もあるんだ。よごれた地下水はそのまま川や海に流れ出す。また、地下水を飲み水に使っている地域の人たちにも危険をおよぼすことになる。