江戸時代にもゴミリサイクルなどの考えはあったそうですが、実際に行われていたのですか?
当時の江戸では、3R(リデュース、リユース、リサイクル)がさかんだった。
たとえば木綿や絹など天然素材でできた着物は古くなっても捨てたりせず、子供用に仕立て直したり、ぞうきんにして使い切る。そしていよいよ使えなくなったらまきとして燃やし、残った灰は畑の肥料として使った。
ほかにも、われた皿や茶わんを直す「瀬戸焼き接ぎ」や、すり減ったげたの歯をつけかえる人など、さまざまな分野の修理職人がいて活躍していた。また、たくさん出る人間のし尿(うんちやおしっこ)も畑の肥料として重宝したので、し尿を集める商売まであったんだ。ものを長く、むだなく使うことが徹底していたんだね。
また、幕府は今の東京都江東区のあたりにごみ処分場をつくり、水路などにごみを捨てることを禁止していた。処分場に集まるごみも、プラスチックなどではなく、天然素材のものばかりなので、時が経つと自然に分解されるから、今のようなごみの山にはならなかったんだ。
今、ごみを出さない循環型社会を目指しているけれど300年以上も前に、江戸の町にはりっぱな循環型社会ができていたんだね。