化学反応によって人工的に作られた物質を「化学物質」という。今、世界には約7万種類の化学物質があるといわれている。
わたしたちの生活はたくさんの化学物質にかこまれている。たとえば家の中では殺虫剤やタンスの防虫剤、トイレなどの芳香剤に大量にふくまれている。またプラスチック製品や家電製品にも揮発性有機化合物(VOC)が含まれている。洗剤や化粧品にもたくさん入っている。外に出れば農薬や除草剤、また大気の中にもさまざまな化学物質がひそんでいる。
こうした化学物質によって今の便利な生活があるのだが、中には有害なものもあるんだ。もともと自然界にはなかった物質なので、生き物に悪い影響をおよぼすものが多い。生活の中で少しずつ体内に入り、長い時間をかけてたまっていき、異常が出ることがある。花粉症やアレルギーの原因にもなっている。めぐりめぐって公害の原因になったり、野生動物への被害が出たりもするんだ。便利な化学物質だけど、こういう悪い部分があることも知っておくことが大切だ。