新型コロナウイルスについて調べよう
そもそもウイルスって何
ウイルスは、目に見えないほど小さい。たくさん種類があって、ヒトや動物に感染して、病気を引き起こす原因になる。細菌も小さく、病気を起こす原因になるが、細菌とウイルスはちがうものだ。
ウイルスの最大の特徴は、自分自身では増えることができないということ。ほかの生物の細胞に入りこんで、その細胞の中にある物質を利用して増えていく。そして、体内でどんどんウイルスが増えていくと、さまざまな病気の症状が現れる。
ウイルスが体に入りこんでくる経路はいくつかある。空気中に浮かんでいるウイルスを吸いこんで感染する「空気感染」、せきやくしゃみで飛びちったしぶきを直接吸いこんで感染する「飛沫感染」、ドアノブやスイッチ、ボタンや便座の表面についたウイルスにさわって感染する「接触感染」などだ。
よく知られているウイルスのひとつにインフルエンザウイルスがある。インフルエンザは飛沫感染することが多いと言われている。
インフルエンザウイルスが体内で増えると、38℃以上の発熱、頭痛や関節痛、のどの痛みや鼻水、くしゃみ、せきなどの症状が現れる。
インフルエンザを発症すると、だいたいは1週間程度で回復するけれど、中には肺炎や脳症などの合併症を引き起こすことがある。
インフルエンザは、予防接種を受けることで症状が出る可能性を減らすことができるし、重症にならないよう予防することが期待できる。また、発症から48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬の服用を始めることで、症状をやわらげることができる。
このように、予防接種や治療薬があるウイルスもある。では、新型コロナウイルスはどうだろう。
新型 コロナウイルスがこわいのはなぜ
コロナウイルスにはいくつか種類があり、多くの国で感染が広がっているのは、新しく見つかった新型コロナウイルスだ。発症すると、発熱やせき、だるさ、息切れ、のどの痛み、頭痛、肺炎などが引き起こされる。
インフルエンザウイルスとちがうのは、いまのところ(2020年3月11日現在)予防接種も治療薬もないところだ。
新型コロナウイルスは、飛沫感染や接触感染をすると考えられている。
新型コロナウイルスは、小学生が感染しても、ほとんどの場合は症状が重くならないと言われている。でも、高齢者やもともと病気を持っている人が感染すると、症状が重くなり、命に関わることもある。だから、自分のことはもちろん、家族や周りの人たちが感染しないようにすることが大切だ。
監修/土田 隆(よこはま土田メディカルクリニック院長)