「1mmよりも短い長さ」はどうやってはかるの?
- 身近なふしぎ
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みなさんがえんぴつの
ふつうのじょうぎでは1mmより短 い長 さがはかれない
私たちがよく使うじょうぎやものさしには目盛りが刻まれています。最も小さい目盛りは、1mmのはばであることが多いと思います。そのおかげで、「えんぴつの長さは17.2cm」などとわかります。
では、ノートの紙1枚の厚さはどれくらいあるでしょうか。1mmよりもうすいということはわかりますが、じょうぎではかろうとしても、ノートの紙1枚の厚さは1mmの目盛りよりずっと短く、正確にはわからないでしょう。
ものづくりにとって「はかる」ことはとても重要
みなさんの中には、「なんのために紙の厚さをはかるの?」と思う人もいるかもしれません。すごく短いものの長さをはかるということは、それだけ精密に長さをはかるということです。精密に長さをはかることは、とても重要です。
私たちの身の回りにはさまざまなものがあります。自動車、テレビ、ペットボトル、タブレット端末などなど、私たちのくらしを支えてくれているものがたくさんありますね。これらのものは、工場でつくられます。
工場でものをつくる場合には、決められたとおりの大きさでつくることが大切です。たとえば、ペットボトルは本体とふたの大きさがきちんと決まっているから、しっかりふたをしめることができます。自動車は何万という部品からできていますが、ひとつひとつの部品の大きさはきちんと決められていて、それらを組み合わせると決まった大きさの自動車ができるように考えられています。
決められたとおりの大きさでつくるには、大きさが正確かどうかをはかる必要があります。ものづくりにとって精密に「はかる」ことがとても重要なことがわかるでしょう。
長 さを精密 にはかるための道具
①ノギス(キャリパ)
長さを精密にはかる道具のひとつに「ノギス(キャリパ)」という機器があります。これは、はかりたいものをはさむなどしてはかるしくみです。
目盛りを目で読み取るアナログタイプと、数値が表示されるデジタルタイプがあります。アナログタイプの場合、ふつうは最も短くて0.05mm単位の長さが読み取れますが、中には0.02mmを読み取れるものもあります。デジタルタイプはさらに精密で、0.01mm単位が表示されるものもあります。
ノギスは、「ジョウ」と呼ばれる部分がついている本尺に、「スライダ」という動く部分を組み合わせた構造をしています。これにより、はかりたいものの外側、内側、段差、深さの4つの長さをはかることができます。
ノートの紙の厚さは1枚約0.1mmなので、ノギスを正しく使い、目盛りを正確に読み取ればじゅうぶんはかることができます。
②マイクロメータ
「マイクロメータ」という機器を使うと、ノギスよりさらに精密に長さをはかることができます。
マイクロメータもノギスと同じように、長さをはかりたいものを「アンビル」と「スピンドル」という部品にはさんではかります。アナログタイプと、数値が表示されるデジタルタイプがあります。
一般的なマイクロメータでは、0.001mm単位まではかることができます。0.001mmは1mmの1000分の1の長さで、1μm(マイクロメートル)ともいいます。機器の名前のとおり、“マイクロメートル”まではかれるのです。
広 がる精密 測定 機器 の世界
ノギスやマイクロメータは、ものづくりをする工場などで、広く使われています。航空機関連の生産現場では、3000本以上のマイクロメータが使われているそうです。
現在のものづくりに欠かせない精密測定機器は、長さをはかる機器だけではありません。ものの表面のあらさをはかる機器、正確な円かどうかをはかる機器、もののかたさをはかる機器など、さまざまな種類の機器が使い道にあわせて開発され、ものづくりの現場で活やくしています。
<使用シーン例>
・表面のあらさの測定:スマホ画面のコーティングのあらさ(指ざわりに影響する)、紙のツルツル・ザラザラなど
・正確な円の測定:こま、鉄道の車輪、クルマや自転車のホイールなど
・もののかたさ:アイスクリームの歯ごたえ、公園遊具の素材強度など
1934年に創業した日本の精密測定機器メーカーのミツトヨは、長年にわたって精密測定技術の研究開発に力を注ぎ、さまざまな「はかる」を実現してきました。そして、世界有数の精密測定機器メーカーとして、世界のものづくりを支えています。
【うすいもの選手権 】いちばんうすいのはどれだ!
精密測定機器を使わずに1mmより短い(うすい)ものの正確な長さをはかるのは難しい。でも、工夫すれば身近なもの2つを比べてどちらがうすいのかを比べることはできるかもしれないね。
以下の自由研究記事を参考にチャレンジしてみよう!