人間の体は何からできているの?
こたえ:
わたしたち人間の体をつくる成分のうち、最も多いのは水分です。年齢や性別にもよりますが、生まれたばかりの赤ちゃんは、体重の約80%、幼児は約65%、大人の男性は約60%、大人の女性では約55%が水分です1)。体重が70kgの男性の場合、約42L(リットル)の水分を体の中にたくわえていることになります。
水分の次に多くふくまれる成分はたんぱく質で、大人の男性の場合は、約16%がたんぱく質だそうです2)。その次に多いのが脂肪(脂質)で、約15%。これらのほかに人間の体は、岩や土にもふくまれる「ミネラル」を6%ほどふくみます。
では、これらの成分は、体の中でどのようなはたらきをしているのでしょうか。順に見ていきましょう。
まず、口から体内に入った水分は、腸で吸収された後、血液などの「体液」になって体の中を循環します。体液は、酸素や栄養分を体のすみずみまで運び、いらなくなったものを体の外へ排出したり、体温を調節したりする役割をもちます。
たんぱく質は、筋肉や骨、内臓、皮ふ、爪、髪の毛などの主な材料です。体内に入ってきたたんぱく質は、小腸で「アミノ酸」に分解されて吸収されます。その後、筋肉などの材料となったり、体の機能を調整する「ホルモン」や、体内の化学反応を助ける「酵素」、病原体から体を守る「抗体」の材料になったりします。
大人になって増えすぎるときらわれがちな脂肪ですが、ほかの成分と同じように大切なはたらきをしています。まず、1gにつき約9kcal(キロカロリー)のエネルギーを放出します3)。体を寒さから守るほか、ホルモンや細胞膜の材料になる、皮下脂肪になって内臓を守る、油に溶けやすい性質の「脂溶性ビタミン」を吸収しやすくする、といった役割もあります。
ミネラルの種類は114種類で、そのうち16種類が人間の体に欠かせない「必須ミネラル」とされていますが、カリウムやカルシウム、鉄、亜鉛は不足しやすいので注意が必要です4)。たとえばカルシウムが足りないと、丈夫な骨や歯が育ちません。鉄不足は、貧血の原因の1つです。
こうした栄養素は、食事を通して体の中に取りこまれるものばかり。つまり、バランスよくいろいろな種類のものを食べることが、体づくりには重要なのです。
参考 資料
1)大塚製薬「水分補給 身体と水分」:
https://www.otsuka.co.jp/nutraceutical/about/rehydration/water/body-fluid/
2)森永製菓『かんたん、わかる! プロテインの教科書』「人間の体はタンパク質でできている。タンパク質・アミノ酸・ペプチドの関係を解説」:https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=20&category=health
3)長寿科学振興財団「三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量」:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shishitsu-shibousan.html
4)ロッテ『Medi Palette』「ミネラルとは? 体に必要な理由と豊富に含まれる食べ物を種類別に紹介」:https://www.lotte.co.jp/medipalette/1080/
監修者 :大山 光晴
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