目というのは、ものを見るところではありますが、目にものがうつったときに「ものが見えた」と「目」そのものが感じるわけではありません。
目にうつった像が、ちょうどテレビの絵が電波で送られてくるように、別の信号にかえられて脳へ送られ、そこではじめて「ものが見えた」と感じているのです。
ところで、ものを見たとき、右の目と左の目にはほとんど同じ像がうつりますが、それぞれの目の内側半分と外側半分は脳の別のところへ送られています。つまり、右の目の外側半分は右の脳に、右の目の内側半分は左の脳へ送られ、左の目の外側半分は左の脳へ、左の目の内側半分は右の脳へ送られることになります。
少し複雑ですが、右の脳では、両方の目で見た右半分がとどけられ、左の脳には見たものの左半分がとどけられると考えればいいでしょう。このふたつが脳の中で合わさり、全体の像が見えたと感じるわけなのです。