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カタツムリとナメクジは何がちがうの?

カタツムリとナメクジは何がちがうの?

こたえ:殻(から)があるかないか、です。

ぬめっとした見た目やツノのような触角(しょっかく)など、確かにカタツムリとナメクジはよく似ています。カタツムリの殻(から)を取ったら、ナメクジになりそうですね。その通り、カタツムリとナメクジの最大のちがいは、殻があるかないか。ほかにはあまり、ちがいがありません。

カタツムリとナメクジは、どちらも巻(ま)き貝の仲間で、生物学では「軟体(なんたい)動物門、腹足鋼(ふくそくこう)、有肺亜鋼(ゆうはいあもく)、柄眼目(へいがんもく)」と分類されます1。共通の祖先が進化する過程で、殻がなくなったのがナメクジ、殻を持ったまま進化したのがカタツムリと考えられています

背中に殻を乗せた生きものといえば、ヤドカリもおなじみです。「カタツムリの殻を取ったらナメクジになる?」と想像するのも、ヤドカリの引っこしからイメージしているのかもしれません。けれども、カタツムリの殻は体にしっかりとくっついていて、無理に体から引きはがそうとすると死(し)んでしまいます。

カタツムリの殻は体から分泌(ぶんぴつ)した炭酸(たんさん)カルシウムでできており、カタツムリは卵(たまご)から生まれたときにはすでに殻を背負(せお)っています。殻の中には、心臓(しんぞう)や肺(はい)、腸(ちょう)、「両性管」(りょうせいかん)とよばれる生殖器(せいしょくき)などの内臓(ないぞう)が入っています。

殻は成長につれて大きくなりますし、殻に傷(きず)がついても23日で治ってしまいます。殻に閉じこもることで外敵(てき)や乾燥(かんそう)、暑さ/寒さから身を守れるのも、カタツムリならではの特ちょうです。

それに対してナメクジは、殻がない分、身軽(みがる)なのが利点です。せまい場所にかくれれば外敵から身を守れますし、より生きやすい場所へ移動できます。カタツムリは、殻をつくるために食べ物からカルシウムを取らなければなりませんが、ナメクジにはその必要がなく、体の成長のためだけにエネルギーを使うことができます。

※ ナメクジの中には、背中に小さな殻が付いた「コウラナメクジ」の仲間もいます。これは、カタツムリとナメクジが同じ祖先から進化した証拠(しょうこ)です。

記事公開:2021年12月

参考資料

1)野島智司『カタツムリの謎 日本になんと800種! コンクリートをかじって栄養補給!?』.誠文堂新光社.2015年

 

監修者:大山光晴

1957年東京都生まれ。東京工業大学大学院修士課程修了。高等学校の物理教諭、千葉県教育委員会指導主事、千葉県立長生高等学校校長等を経て、現在、秀明大学学校教師学部教授として「理数探究」や「総合的な学習の時間」の指導方法について講義・演習を担当している。科学実験教室やテレビの実験番組等への出演も多数。千葉市科学館プロジェクト・アドバイザー、日本物理教育学会常務理事、日本科学教育学会及び日本理科教育学会会員、月刊『理科の教育』編集委員等も務める。

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