モグラはどうして土の中にいるの

土(つち)の中(なか)には、モグラの好(す)きなミミズや昆虫(こんちゅう)の幼虫(ようちゅう)がたくさんいます。また温度(おんど)や湿度(しつど)も一年(いちねん)中(じゅう)あまりかわりません。しかもキツネやフクロウのような敵(てき)もいないので、土(つち)の中(なか)は意外(いがい)にくらしやすいのです。
こうして長(なが)い間(あいだ)に、モグラはあなほりにぴったりな体(からだ)をもつようになりました。前(まえ)あしはシャベルのようになり、後(うし)ろあしはふんばりがきくように特別(とくべつ)なでっぱりが発達(はったつ)してきました。また、土(つち)の中(なか)では目(め)はほとんど必要(ひつよう)がないために、うすい膜(まく)がかぶさっています。これなら土(つち)が入(はい)る心配(しんぱい)もありません。物(もの)の形(かたち)は見(み)えなくても、明(あか)るさだけは感(かん)じることができます。耳(みみ)たぶも土(つち)の中(なか)ではじゃまになるためになくなり、えさは、においとひげの感覚(かんかく)だけでさがしているのです。
体(からだ)の毛(け)は皮膚(ひふ)から垂直(すいちょく)に生(は)えて、ビロードのようになっています。そのために、トンネルの中(なか)を前(まえ)にも後(うし)ろにも自由(じゆう)に動(うご)けるのです。このように、完全(かんぜん)に地下(ちか)のくらしに適(てき)した体(からだ)になってしまったモグラが、再(ふたた)び地上(ちじょう)での生活(せいかつ)にもどることはないでしょう。