どうしてイカには骨がないの
地球に最初の生命が現れたとき、それは、たったひとつの細胞だけでできている「単細胞」の生き物でした。それが、しだいにたくさんの細胞になって「多細胞」の動物が現れるようになったのです。といっても、まだまだ、やわらかいかたまりのようなものにすぎませんでした。こういう単細胞や多細胞の動物は、ほとんどは海、つまり水の中にすんでいました。水の中では、体が自然にうくので、のんびりとくらすのには、骨は必要なかったのです。せいぜい、敵に食べられないように、体の外側によろいのようなものでもあれば、それで十分だったのです。それで、最初の動物らしい動物は、やわらかいかたまりがよろいを着た貝の仲間だったというわけです。
そして、その貝の仲間の中からイカの仲間は生まれました。イカは、いつのまにかからをぬけだしてしまったのです。せっかく身につけたよろいをイカがどうして捨てたのか、ふしぎな気もしますが、イカの先祖は、よろいを着て体を守るより、速く動く方を選んだのです。じっとしているより、速く動いて敵から身を守る方を選んで、イカは、貝のからを捨ててしまったと考えられます。それで、イカはやわらかいままで、骨もなく、からもないのです。
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今生きている最も原始的なイカやタコの仲間はオウムガイで、貝殻に入ったイカやタコのような姿をしています。