花はどうしていいにおいがするの
たしかに、
しかし、どんな花でも、すべていいにおいがするというわけではありません。たとえば、タンポポやアサガオの花は、ほとんどにおいらしいにおいはありませんし、また、レンゲソウやヒマワリもほとんどにおいは感じないでしょう。
もちろん、ユリやキクの花は、とてもいいにおいがしますし、クチナシやキンモクセイなどは、遠くからでもわかるほど強いにおいを出しています。
つまり、花のにおいは、種類によってじつにさまざまです。いいにおいのする花からまったくにおいのしない花までいろいろあるようです。
ところで、このにおいの有無、いい悪いは、あくまでも人間の鼻でかいだときのことです。ところが、花のにおいは、べつに人間のためにあるわけではありません。本当は虫のためにあるのです。花は、虫の好きそうなにおいを出して、虫をよんでいます。花は虫をよぶことによって、実や種のできるのを助けてもらおうとしているのです。
花に来る虫には、チョウやハチ、ハナアブなどさまざまです。したがって、においをかぐしくみも、虫によっていろいろあります。ですから、花の出すにおいは、わたしたち人間が、いいと感じるようなものばかりではないのです。
花のなかには、人間にはわからないにおいや、人間があまりこのまないにおいを出しているものも、案外多いようです。しかし、どんなにおいでも虫たちにとっては、それはいいにおいなのです。
つまり、花のにおいは虫をよぶためであり、そのにおいのなかに、たまたま人間がいいにおいだと思うものもあるということなのです。