花にはどうしておしべとめしべがあるの

きょくたんなことをいえば、がくや花(はな)びらがなくても、おしべとめしべさえあれば、花(はな)であるといえるのです。ですから、逆(ぎゃく)に、おしべとめしべのどちらもないものは、花(はな)とはいえません。
ふつうおしべには、先(さき)の部分(ぶぶん)に花粉(かふん)を入(い)れるための花粉(かふん)ぶくろとよばれるものがあります。この花粉(かふん)ぶくろは、種類(しゅるい)によって少(すこ)しずつちがっています。それぞれに決(き)まったしくみでふくろがさけて、花粉(かふん)を外(そと)におし出(だ)しているのです。
この花粉(かふん)は、風(かぜ)でふき飛(と)んだり虫(むし)の体(からだ)にくっついたりしてめしべのところまで運(はこ)ばれていきます。そして、めしべの頭(あたま)にくっつくと、めしべのもとの子房(しぼう)の中(なか)にある「種(たね)のもと」がふくらんできます。ふくらんだ子房(しぼう)というのが植物(しょくぶつ)の実(み)であり、この実(み)の中(なか)に種(たね)ができるのです。
ふつうの花(はな)では、花粉(かふん)がめしべにつかなければ、実(み)はできませんし、もちろん種(たね)もできません。おしべとめしべは、仲間(なかま)をふやすために、花(はな)にとってはなくてはならないものなのです。
つまり、この質問(しつもん)の答(こた)えを一言(ひとこと)でいうなら、「仲間(なかま)をふやすため」ということになるでしょう。