花はどうしてきれいなの
緑色の葉っぱの中に、赤や黄、青、紫、白などの色の花がさいています。たしかにわたしたち人間の目から見ると、きれいな色をしていると感じます。しかし、ミツバチの目が見ている色は、人間の目が見ている色とはかなりちがっているのです。これは、ミツバチにかぎらず、おそらくほかの虫たちでも、同じことがいえるでしょう。
またこういったちがいは、花の大きさについてもいえます。虫の大きさと花の大きさをくらべてみると、ミツバチの見るヒマワリの花は、人間が見る8階建てビルディングくらいはあるのです。そんなに大きなビルが、ぜんぶ黄色だったとしたら、わたしたちはそれを見てきれいだと思うでしょうか?また、きれいだと思って花に近づいていくことができるでしょうか?
虫は、自分だけによくわかる色というものをもっています。その色があると、ここには、自分の好物の蜜がありそうだとわかるといわれています。つまり、花の色は、虫にとって、きれいであるとかはあまり関係がなく、ただの目印にすぎないのです。たとえばモンシロチョウは、花の色ではなくて、めしべの色を目印に花をさがすといわれています。
つまり、花の色の美しさは、ぐうぜん植物がもっていた性質にすぎません。それが、たまたま人間から見て美しいと感じる色と大きさだったわけで、花がきれいだというのは、人間が勝手にそう思っているだけのことなのです。