鉄はどうやってできるの

しかし、この鉄鉱石(てっこうせき)には鉄(てつ)だけではなく、いろいろなものがまじっているために、鉄(てつ)だけを取(と)り出(だ)すくふうが必要(ひつよう)となります。
昔(むかし)の人(ひと)は鉄鉱石(てっこうせき)を炉(ろ)でどろどろにとかして、鉄(てつ)を取(と)り出(だ)していました。しかしとかしただけではいい鉄(てつ)になりませんので、やはり今(いま)はもっと改良(かいりょう)されています。
今(いま)の鉄(てつ)の取(と)り出(だ)し方(かた)は、まず、鉄鉱石(てっこうせき)と石灰(せっかい)、コークスを「高炉(こうろ)」というものに交互(こうご)につみかさねます。
次(つぎ)に高炉(こうろ)の下(した)の口(くち)から約(やく)1200度(ど)の熱(あつ)い空気(くうき)を送(おく)って、中(なか)のものをとかします。石灰(せっかい)やコークスをまぜるのは、いっしょに入(い)れると鉄(てつ)が取(と)り出(だ)しやすいという理由(りゆう)からです。そしてだんだんととけてくると、重(おも)い鉄(てつ)は下(した)にしずみ、ほかのものは上(うえ)にういてきます。
このようにしてとけた鉄(てつ)だけを下(した)の方(ほう)から取(と)り出(だ)すのです。高炉(こうろ)は火(ひ)に強(つよ)い特別(とくべつ)のレンガや鉄(てつ)で表面(ひょうめん)をかこっているために、とける心配(しんぱい)はありません。
こうしてできたとけたままの鉄(てつ)を別(べつ)の炉(ろ)にとり、次(つぎ)にパイプで酸素(さんそ)をふきつけてやります。そうすると、鉄(てつ)以外(いがい)の余分(よぶん)なものが追(お)い出(だ)されて「はがね」といわれるがんじょうな鉄(てつ)ができあがるのです。この「はがね」を使(つか)って、いろいろな鉄(てつ)の製品(せいひん)が作(つく)られています。

日本(にほん)の製鉄(せいてつ)は古来(こらい)、鉄鉱石(てっこうせき)ではなく砂鉄(さてつ)を原料(げんりょう)として発達(はったつ)し、たたらとよばれる炉(ろ)で鉄(てつ)が取(と)り出(だ)されました。