ダイコンはおろすとどうしてからくなるの
ダイコンおろしは、しぼるとしるとかすに
しるはダイコンの中にあるときには、あまりからくはありません。ところが、これをおろすと、ダイコンの中の組織がこわれ、分解酵素というものが、からい味の成分をつくり出すのです。
つまり、もともとダイコンの中に別々に入っていたものが、おろしていっしょになったことにより、からい味のものに変化したということなのです。
したがって、ダイコンはおろしてすぐならそれほどからくはありません。まだからい味のものに変化していないからです。ところが、おろしてから7、8分ほどたつと、だんだんからい味のものができてきて、からくなります。ところが、このからい味の成分は、非常に蒸発しやすい性質を持っていますから、だんだんと蒸発してしまい、1時間もたつとまったくからい味がなくなるのです。
また、このからみは熱にも弱いという性質があります。おでんや、にものに入っているダイコンが全然からくないのは、からい味のものが熱でこわされてしまうからです。反対に、ダイコンは熱を加えることにより、少しですがあまい味の成分がつくられます。これが、おでんのダイコンがほんのりあまくておいしいわけなのです。