どうして言葉はあるの、いつごろだれがつくったの
もっとも、これは人間と話ができるような言葉ではありません。しかし、イヌどうし、ネコどうしならば、おたがいにちゃんと通じているのです。もちろん、通じているといっても、それほどむずかしい話をしているわけではありません。しかし、イヌやネコが生きていくために最低必要なことぐらいは通じているのです。このことを、さらに人間に近い動物で考えてみましょう。
人間に近い動物といえば、何といってもサルがあげられます。動物園にはサル山といったサルの社会があります。そこには、頂点にボスザルが存在し、そのボスの下に社会のようなものができています。これができるのは、サルどうし、おたがいの考えが通じている証拠です。もし、サルに全く言葉がなく、おたがいに考えてることが通じなければ、サル山のボスというものが生まれるはずはありません。このようにすべての動物は、自分のまわりにいる同じ種類の動物と話をしています。なぜなら、それをしなければいっしょにくらしていくことができないからです。
大昔の人間も実はこれと同じです。あるところに集まって住んでいた人間の先祖も、となりの人との会話が必要になってきたのです。そこで生まれた言葉のようなものが、何十万年、何百万年という長い時間をかけて、だんだんと現在の言葉になっていったのです。したがって、言葉というのは、あるときどこかでだれかが発明したというものではありません。長い間に少しずつ、なんとなくできてきたものなのです。