棒磁石の上に紙を広げて、その上に砂鉄をパラパラとふりかけていくと、N極とS極の間に円をかくように、鉄の粉がきれいなすじのもようをえがきます。
さて、この砂鉄でできるもようですが、このもようは棒磁石のN極側にもS極側にも同じようにできます。これは、目には見えませんが「磁力線」とよばれるものです。磁力線は、磁石の力がはたらいている方向をしめしているのです。この磁力線の始まるところと終わるところが、それぞれN極とS極になるというわけです。
つまり、磁石にN極とS極があるのは、この磁力線の出るところと入るところがあるからと考えられます。出るところばかりで、入るところがないのはありえません。したがって、磁石には必ず磁力線の出るところと入るところが存在し、そこがN極とS極であるというわけです。
どんな磁石にも必ずN極とS極はあります。わたしたちが住んでいるこの地球も、大きな磁石になっています。地球のN極は、南極の近くに、S極は北極の近くにあります。磁石は同じ極同士が反発するため、方位磁針のN極は北を向き、S極は南を向くのです。