世界中にあるすべてのものは、どんなものでも、酸素、水素、炭素、鉄などの、いろいろな原子というものからできています。
わたしたちがふだんよく見かける、石ころも、木も、またプラスチックや水やけむり、もちろんわたしたちの体までも、すべてこの小さな原子というものがたくさん組み合わさってできているのです。
この原子というのは、ふつうの顕微鏡では見ることはできません。それほど小さい粒なのです。しかし、この原子をくわしく調べると、プラスの電気を持った粒と、マイナスの電気を持った粒とからできていることがわかります。
ふつうは、この原子の中の、プラスの電気とマイナスの電気とは、つりあいながら電気を打ち消しあっています。ところが、二つの物をこすりあわせたりすると、プラスの電気とマイナスの電気のつりあいがとれなくなり、電気が外へ出てくるのです。下じきをかみの毛でこすったときも、このようなことが起こっているのです。
まず、下じきをかみの毛でこすると、かみの毛にあるマイナスの電気の粒が、下じきにうつっていきます。すると、マイナスの電気の粒が少なくなったかみの毛は、全体としてプラスになります。反対に、マイナスの電気の粒が多くなった下じきは、全体としてマイナスになります。
プラスの電気を持つものとマイナスの電気を持つものは、おたがいに引きあう性質があります。ですから、かみの毛が下じきにすいついてしまうのです。