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国際宇宙ステーションについて調べちゃおう

国際宇宙ステーションについて調べちゃおう

2009(ねん)3(がつ)16(にち)日本人(にほんじん)宇宙(うちゅう)飛行士(ひこうし)若田光一(わかたこういち)さんたち7(めい)()せたスペースシャトル「ディスカバリー」が()()げられ、(よく)17(にち)には国際(こくさい)宇宙(うちゅう)ステーション(ISS)とのドッキングに成功(せいこう)した。(わか)()さんは、(やく)3か(げつ)(あいだ)ISSに滞在(たいざい)し、日本(にほん)実験棟(じっけんとう)「きぼう」で実験(じっけん)研究(けんきゅう)(おこな)うほか、ISSの(そと)での作業(さぎょう)もする。ISSはどんな施設(しせつ)なのか、(わか)()さんはどんな作業(さぎょう)をするのかを調(しら)べちゃおう。

世界(せかい)15か(こく)参加(さんか)する宇宙(うちゅう)開発(かいはつ)のビッグプロジェクト

国際(こくさい)宇宙(うちゅう)ステーション(ISS)は、日本(にほん)やアメリカ、ロシア、カナダと、ヨーロッパの11か(こく)(けい)15か(こく)協力(きょうりょく)して、宇宙(うちゅう)建設(けんせつ)(すす)めている施設(しせつ)だ。地上(ちじょう)から(たか)(やく)400kmの上空(じょうくう)(まわ)っている。ISSの目的(もくてき)は、重力(じゅうりょく)影響(えいきょう)がほとんどない宇宙(うちゅう)で、さまざまな実験(じっけん)研究(けんきゅう)をすることや、地球(ちきゅう)天体(てんたい)観測(かんそく)(おこな)うことだ。そのため、ISSには実験(じっけん)研究(けんきゅう)(おこな)施設(しせつ)などのほか、宇宙(うちゅう)空間(くうかん)作業(さぎょう)するためのロボットアームや発電(はつでん)のための太陽(たいよう)電池(でんち)パネルが()()けられている。完成(かんせい)()には全長(ぜんちょう)108m、はば88mと、サッカー(じょう)とほぼ(おな)(おお)きさになる予定(よてい)だよ。

国際宇宙ステーションISS
地球(ちきゅう)(まわ)国際(こくさい)宇宙(うちゅう)ステーションISS。2008(ねん)6(がつ)日本人(にほんじん)宇宙(うちゅう)飛行士(ひこうし)星出彰彦(ほしであきひこ)さんが参加(さんか)したミッション()画像(がぞう)
提供(ていきょう):NASA、JAXA
ISS完成イメージ
ISSの完成(かんせい)イメージ()。ISSは、居住(きょじゅう)(よう)施設(しせつ)実験(じっけん)(おこな)施設(しせつ)や、ロボットアーム、太陽(たいよう)電池(でんち)パドルで構成(こうせい)されている。
提供(ていきょう):JAXA

ISSには最大(さいだい)で6(めい)宇宙(うちゅう)飛行士(ひこうし)が6か(げつ)(かん)滞在(たいざい)できる。そのため、ISSには、宇宙(うちゅう)飛行士(ひこうし)食事(しょくじ)をとったり、ねむったりするための設備(せつび)もつくられているよ。

競争(きょうそう)協力(きょうりょく)にかえてスタートしたISSの建設(けんせつ)計画(けいかく)

ISSの建設(けんせつ)計画(けいかく)は、1984(ねん)1(がつ)、アメリカによって発表(はっぴょう)された。それまでの宇宙(うちゅう)開発(かいはつ)は、アメリカとソビエト連邦(れんぽう)現在(げんざい)のロシア)が、(きそ)うように(おこな)っていた。だが、ISSの建設(けんせつ)は、世界(せかい)各国(かっこく)参加(さんか)()びかけ、協力(きょうりょく)して(おこな)宇宙(うちゅう)開発(かいはつ)としてスタートしたんだ。

ISSの建設(けんせつ)は、あらかじめ地上(ちじょう)でつくった施設(しせつ)設備(せつび)をロケットやスペースシャトルで(はこ)び、宇宙(うちゅう)()()てている。でも、ロケットやスペースシャトルで一度(いちど)(はこ)ぶことができる(りょう)には(かぎ)りがあるので、40(かい)以上(いじょう)()けて(はこ)ばれる。1998(ねん)建設(けんせつ)(はじ)まったISSの完成(かんせい)は、2009(ねん)現在(げんざい)最終(さいしゅう)段階(だんかい)(はい)っている。当初(とうしょ)目標(もくひょう)である2010(ねん)より(すこ)しおくれる()こみだが、完成(かんせい)()(ちか)い。

日本(にほん)実験(じっけん)施設(しせつ)「きぼう」

ISSには、日本(にほん)も「きぼう」という実験(じっけん)施設(しせつ)をもっている。「きぼう」は、5つのパーツからできていて、最大(さいだい)4(めい)がいっしょに作業(さぎょう)できる(ひろ)さがある。

「きぼう」の実験室内部
日本(にほん)実験棟(じっけんとう)「きぼう」の実験(じっけん)(しつ)内部(ないぶ)
提供(ていきょう):NASA、JAXA

「きぼう」のパーツは、3(かい)()けて宇宙(うちゅう)(はこ)ばれ、ISSに()りつけられる。2008(ねん)3(がつ)には土井隆雄(どいたかお)さんが()ったスペースシャトルで、実験(じっけん)装置(そうち)などを保管(ほかん)する船内(せんない)保管(ほかん)(しつ)(はこ)ばれた。さらに、同年(どうねん)6(がつ)星出(ほしで)影彦(あきひこ)さんが()ったスペースシャトルで、実験(じっけん)(おこな)船内(せんない)実験(じっけん)(しつ)船外(せんがい)にある実験(じっけん)装置(そうち)(こう)かんしたりするロボットアームが(はこ)ばれ、(さき)(はこ)ばれていた船内(せんない)保管(ほかん)(しつ)とともにISSに()りつけられた。そして、2009(ねん)3(がつ)(わか)()さんが搭乗(とうじょう)したスペースシャトルで、ISSの(そと)実験(じっけん)(おこな)うための船外(せんがい)実験(じっけん)プラットフォームや、船外(せんがい)実験(じっけん)のための装置(そうち)保管(ほかん)する船外(せんがい)パレットが(はこ)ばれた。これらの設備(せつび)は、(わか)()さんがISSにいる(あいだ)()りつけられる。「きぼう」では、すでに2008(ねん)8(がつ)から、さまざまな実験(じっけん)(はじ)められているよ。

(なが)期間(きかん)滞在(たいざい)するためのさまざまな工夫(くふう)

ISSができたことで、(なが)期間(きかん)宇宙(うちゅう)生活(せいかつ)できるようになった。地上(ちじょう)とまったく環境(かんきょう)がちがう宇宙(うちゅう)では、どんな生活(せいかつ)をしているのだろう。

()(みず)やふろ、トイレなど、(みず)生活(せいかつ)()かすことができない。でも、ISSで使(つか)(みず)は、スペースシャトルなどで地球(ちきゅう)から(はこ)ばなければならないから、(りょう)(かぎ)られている。(みず)はとても貴重(きちょう)なので、節約(せつやく)しなければならないんだ。

ISSでは、(みず)のいらないシャンプーでかみを(あら)い、(からだ)液体(えきたい)(せっ)けんをふくませたタオルでふく。また、衣類(いるい)(せん)たくは(おこな)わず、一度(いちど)()たものは()てている。だが、ISSに(はこ)べる荷物(にもつ)(りょう)(かぎ)られているので、衣類(いるい)毎日(まいにち)()りかえず、(すう)日間(じつかん)(おな)じものを()ている。

今回(こんかい)(わか)()さんは、数日(すうじつ)()てもにおいがしない特別(とくべつ)(ふく)下着(したぎ)()て、その効果(こうか)調(しら)べている。この衣類(いるい)は、日本(にほん)開発(かいはつ)されたもので、あせをよく()()り、短時間(たんじかん)でかわくうえ、細菌(さいきん)繁殖(はんしょく)(ふせ)ぐはたらきがあるので、1週間(しゅうかん)以上(いじょう)()てもにおいがしない。

また、毎日(まいにち)食事(しょくじ)工夫(くふう)されている。宇宙(うちゅう)開発(かいはつ)(はじ)まったばかりのころは、チューブに(はい)った食事(しょくじ)がほとんどだったけど、最近(さいきん)は、そのまま()べられるものや、加熱(かねつ)したり、(みず)(くわ)えたりして()べるタイプの宇宙(うちゅう)(しょく)開発(かいはつ)され、地上(ちじょう)(おな)じような食事(しょくじ)ができるようになっている。

料理(りょうり)種類(しゅるい)も300種類(しゅるい)以上(いじょう)あって、その(なか)には、赤飯(せきはん)やみそ(しる)、ようかんなどの日本(にほん)(しょく)もある。食事(しょくじ)時間(じかん)は、(たん)栄養(えいよう)補給(ほきゅう)だけでなく、ストレスの解消(かいしょう)や、いっしょに滞在(たいざい)しているメンバーとコミュニケーションをとるための貴重(きちょう)時間(じかん)なんだ。

ISSでの(わか)()さんのさまざまな任務(にんむ)とは?

(わか)()さんのように、(やく)3か(げつ)もの(なが)(あいだ)宇宙(うちゅう)()ごすのは、日本人(にほんじん)では(はじ)めてのことだ。その(あいだ)(わか)()さんは、太陽(たいよう)電池(でんち)パネルなどの()りつけや、船外(せんがい)活動(かつどう)(おこな)う。

ISSの(そと)作業(さぎょう)をするアメリカの宇宙(うちゅう)飛行士(ひこうし)スティーブ・スワンソンさん。
提供(ていきょう):NASA、JAXA
アメリカの実験棟(じっけんとう)「デスティニー」の(なか)で、ISSのロボットアームを操作(そうさ)する(わか)()さん。
提供(ていきょう):NASA、JAXA

宇宙(うちゅう)ステーションの(なか)では、地上(ちじょう)とちがって、重力(じゅうりょく)影響(えいきょう)をほとんど()けない。(からだ)体重(たいじゅう)(かん)じないので、(ほね)筋肉(きんにく)(よわ)くなってしまう。(ほね)(よわ)くなると、骨粗(こつそ)しょう(しょう)という、(ほね)がもろくなって骨折(こっせつ)しやすくなる、病気(びょうき)になることがある。(わか)()さんは、ISSにいる(あいだ)骨粗(こつそ)しょう(しょう)予防(よぼう)(やく)()んで、宇宙(うちゅう)空間(くうかん)でもその効果(こうか)があるかを調(しら)べるよ。

また、ISSにいる(あいだ)にあびた放射線(ほうしゃせん)(りょう)測定(そくてい)する研究(けんきゅう)(おこな)う。地上(ちじょう)では、地球(ちきゅう)をとりまく(たい)()があるために、放射線(ほうしゃせん)など、太陽(たいよう)から()(そそ)有害(ゆうがい)物質(ぶっしつ)が、地上(ちじょう)(とど)(りょう)(すく)なくしてくれる。しかし、宇宙(うちゅう)では有害(ゆうがい)物質(ぶっしつ)を、地上(ちじょう)にいるときよりもたくさんあびてしまうんだ。ISS(ない)で1(にち)にあびる放射線(ほうしゃせん)(りょう)は、地上(ちじょう)にいるときに半年間(はんとしかん)であびる(りょう)(おな)じくらいだ。宇宙(うちゅう)であびる放射線(ほうしゃせん)人間(にんげん)にどんな影響(えいきょう)をあたえるのか、(わか)()さんが測定(そくてい)した結果(けっか)が、将来(しょうらい)宇宙(うちゅう)飛行士(ひこうし)健康(けんこう)(まも)るための研究(けんきゅう)につながる。

さらに、今回(こんかい)、「宇宙(うちゅう)空間(くうかん)(おこな)ってほしいおもしろ実験(じっけん)」を、全国(ぜんこく)から募集(ぼしゅう)した。(わか)()さんは、この実験(じっけん)にもチャレンジする。この(なか)には、(たと)えば、

  • 宇宙(うちゅう)空間(くうかん)ではクロールの(およ)(かた)(まえ)(すす)めるか
  • 地上(ちじょう)では()(うえ)から目薬(めぐすり)をさすけれど、宇宙(うちゅう)空間(くうかん)ではどの方向(ほうこう)からさすとじょうずに()(はい)るか
  • (からだ)がういている宇宙(うちゅう)空間(くうかん)では、(いき)をふいたり、うちわのようなおうぎ(がた)のもので(かぜ)()こしたりするだけでも移動(いどう)できるか

などの実験(じっけん)がある。

おもしろ実験(じっけん)は、16(けん)のアイディアの(なか)から、いくつかを(えら)んで(おこな)う。どれも、地上(ちじょう)宇宙(うちゅう)空間(くうかん)でのちがいがわかる実験(じっけん)だよ。結果(けっか)(たの)しみだね。

ISSでの実験(じっけん)研究(けんきゅう)は、今後(こんご)宇宙(うちゅう)開発(かいはつ)役立(やくだ)つほか、(しん)素材(そざい)開発(かいはつ)につながる可能性(かのうせい)(たか)い。(わか)()さんの(かつ)やくとともに、今後(こんご)のISSでの活動(かつどう)注目(ちゅうもく)しよう。

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