9月1日は、防災の日。みんなも、もう防災訓練をしたかもしれないね。日本では、台風が上陸したり、大きな地震が起こったりして、被害を受けることがある。防災について調べて、ふだんから災害に備えよう。
さまざまな災害が発生する日本
2009年8月11日、静岡県で震度6弱という強い地震があった。震度というのは、地震のゆれの強さを表すものだよ。震度6弱だと、人が立っているのが難しく、固定していない家具が移動したり、たおれたりする。ほかにも2009年は、集中豪雨や、たつ巻が起こったね。
日本は、台風などの、雨や風による災害が多い国だ。また、世界でも地震が多い国のひとつなんだ。
台風や、たつ巻の正体は?
日本には、毎年のように、台風がやってくる。台風は、日本の南の海で発生する、強い風と雨をもたらす大きな空気のうずだ。台風が上陸すると、大雨や強風、こう水や土砂くずれなどが起きることがある。
いっぽう、たつ巻というのは、縦長の空気のうずだ。台風に比べて、うずは小さく、移動する距離も短いけれど、風は強い。しかも、どこでいつ起こるかわからないうえ、速いスピードで移動する。2009年7月27日には、群馬県館林市でたつ巻が発生し、建物のガラスが割れ、屋根がふき飛ばされる被害があったよ。
大きな被害をもたらした地震
日本では、これまで何度も大きな地震が起こり、多くの人がなくなったり、建物がこわれたりした。地震でこわいのは、ほかの災害を引き起こすことだ。地震が発生すると、津波や火災などが起きることもある。
津波は、地震のゆれが原因でおし寄せる大きな波だ。1896(明治29)年の明治三陸沖地震では、高さ約38.2mの津波が海岸をおそった。これは、11階建てのビルと同じくらいの高さだよ。また、1923(大正12)年の関東大震災では、死者・行方不明者が10万人をこえたといわれているが、その大多数は、地震後の火災が原因で命を落としたといわれているよ。
緊急地震速報ってなに?
地震が起きる少しでも前に、地震が起きることがわかれば、被害を少なくできる。そこで、気象庁では、2007年10月から、強いゆれが起きる地域を予測して知らせる「緊急地震速報」を始めている。
地震が起きると、震源からゆれが周りに伝わっていく。震源から遠い場所では、ゆれが伝わるまでに、数秒から数十秒かかることがある。緊急地震速報では、全国約1000か所に設置している地震計で、ゆれをとらえ、地震の大きさを計測する。そして、震度5弱以上になる地域を予測して情報を発表する。
2009年8月11日に起きた地震では、地震計が最初のゆれをとらえてから3.8秒後に緊急地震速報が発表された。それで、震度5以上のゆれが起きる一部の地域では、ゆれが来るまでに5秒以上のよゆうがあったよ。
災害現場で活やくするさまざまな乗り物
災害現場では、ポンプ車や救急車などの消防車両が活やくする。
スーパーアンビュランスは、車体を左右に広げることで、最大8台のベッドが設置できる救急車だ。けがをした人を運ぶだけでなく、災害現場では救護所にもなるよ。
無人走行放水車ドラゴンは、消防隊が近づけない危険な場所でも、無線操作で、はなれた場所から消火活動ができるロボットだ。大規模火災や爆発が起きる危険がある火災現場で活やくする。
障害物除去車セーバーは、災害現場で障害物を取りのぞき、救助活動をサポートする。
ポンプ車は、タンクの水や消火せんから供給される水で火を消す消火活動の主力だ。はしご車は、高層ビルでの火災など、主に高い場所での消火活動で活やくする。ビルの上階からにげおくれた人を助けるはたらきもする。化学車は、油や薬品など、水では消せないものが燃えているときに出動する。水ではなく、化学消火剤やあわの消火液などで消火活動を行うよ。
大震災の経験から生まれたレスキューロボット
1995(平成7)年に、兵庫県の広い地域で起きた阪神・淡路大震災では、たくさんの人がこわれた建物の下じきになって命を落とした。そこで、災害現場で、建物の下じきになっている人をすばやく探し、救助するレスキューロボットやシステムの開発が行われている。
東北大学の田所諭先生は、ヘビのようなレスキューロボット「能動スコープカメラ」を開発した。このロボットは、長さ8mのケーブルの先端に小型カメラがついている。全身が人工毛におおわれていて、人工毛をモーターでふるわせて前に進む。直径3cm以上の穴があれば中に入れて、内部の様子を撮影できるので、がれきの下じきになった人をさがすのに活やくするよ。
能動スコープカメラが、がれきの間を進むイメージ。
出典:東北大学 田所・大野・竹内/昆陽研究室
地震が起きたときをイメージしよう
いつ起きるかわからない大地震。地震が起きても助かるためには、ふだんから地震が起きたときの行動をイメージしておくことが大切だ。
地震が起きたら、まず自分の身を守ることがかんじんだ。机の下に入ったり、クッションなどで頭を守ったりしよう。家の中でも、家具がたおれてきたり、ガラスが割れて床に散らばったりすることも考えられる。家の中の見取り図をかいて、どの家具がたおれてくるかイメージして、どうやってにげるか考えておくといい。ただし、ゆれがおさまったからといって、あわてて外に出ないこと、かわらやガラスが落ちてくる危険があるからだ。
ふだんから災害に対する準備や心がまえをしておくことで、落ち着いた行動がとれる。