「地球防衛隊SDGs」第24・25話解説編「世界で起きている飢餓」
ちょっとむずかしそうだけど、
9人 にひとりが苦 しんでいる飢餓 、食料 があれば救 える命 も
ねえ、スモール。
「飢餓」なんて、限られた人たちだけに起きることだと思っていたんだけど…。この地球で今も9人にひとりが飢餓に苦しんでいるって聞いて、なんだか悲しい気持ちになったよ。
8億2000万人もの人が、長期間にわたって十分な食べ物を食べられず、栄養不足の状況になっている……。これを聞くと、驚くよね。でも、実際に起きている問題なんだ。特に、途上国の農村部などに住んでいる人たちの間で、飢餓が広がっているといわれているよ。
栄養不足の状況……。それってもちろん、体にも悪い影響がある…ってことだよね?
たとえば子どものときに十分に栄養がとれないと、その後の成長に遅れが出ることもあるんだよ。それに栄養不足の状態が続くと、病気とたたかう体の力が弱くなってしまうこともある。風邪をひきやすくなったり、命を落としてしまったりすることも……。
そんな! 世界には、食料さえあれば救える命もあるんだ……! 飢餓で苦しんでいる人のところに、今すぐ、ご飯を届けてあげたい!
空のその気持ち、立派だよ!
飢餓問題の原因をたどってみると、先進国もけっして無関係ではないんだ。原因の一部をまとめてみるよ。
【世界 で起 きている飢餓 の原因 の例 】
・世界で起きている食品ロス
食べられずに捨てられた食料は、年間で20億人分にもなっている。
・森林伐採による気候変動
温暖化・自然災害の増加で、農作物が被害を受けている。
・人口の増加
2050年には今とくらべて食料が1.7倍も必要になるという予想もある。(※)
※「農林水産省報道資料(2050年における世界の食料需給見通しの公表について)」を参照
・紛争の増加
紛争が起きると、住んでいる場所や自分たちの農地などを捨てて避難しなければならず、満足な食事や十分な水を得ることも難しくなってしまう。
実際に飢餓で苦しんでいる人は、途上国に多いのかもしれないけど、食品ロスや気候変動の問題は、日本や先進国に関係があるのかも……?
そう! 飢餓は、一部の貧しい国だけの問題じゃない。世界で力を合わせて解決しなきゃいけない問題なんだ。
だからSDGsでは「2 飢餓をゼロに」という目標が定められているんだよ!
他人ごとじゃなくて、自分たちの問題として取り組まなきゃいけない理由がわかったよ。世界のどこかで起きている問題は、空たちの暮らしともつながっているんだね。飢餓の問題も、自分ごととして考えてみる!
構成・文/塚田智恵美
イラスト/奈良裕己