「地球防衛隊SDGs」第26話解説編「食生活の改善が、SDGsにつながる?」
ちょっとむずかしそうだけど、
日本の飢餓問題がテーマのまんが第26話はコチラ!
日本 でも10人 にひとりが飢餓 を経験 したことがある、ってホント!?
ねえ、スモール。
空たちの教室のなかでも、飢餓につながる「欠食」や「孤食」の問題が起きていて、ショックだったよ。
空は毎日、食べるものがちゃんとあるのが当たり前だと思ってたかも……。「食事が十分にとれない」っていう状況を、正直、想像していなかったんだ。
そうだよね。でも実は、日本でも、見えないところで飢餓につながる問題は起きている。こんなデータもあるよ。18歳以上の日本国民のうち、十分な食料がない状態で過ごしたことのある人が9.2%――つまり、およそ10人にひとりが、飢餓の状況を経験したことがあると言っているんだ(※)。
※WorldValuesSurvey『世界価値観調査』を参照。
2017~2020年にかけての調査で、「この1年間で、十分な食料がない状態で過ごしたことがあるか」という問いに対して「しばしばあった」「時々あった」と答えた人の割合。
10人にひとり!? なんでそんなに多くの人が、十分な食事をとれなかったんだろう?
理由のひとつに、貧しくて十分な食料を買えないことが挙げられる。ほら、空のクラスメイトの星一も、家計が厳しくて、自分の食事をがまんしていたよね? 世界的に見ても、貧困が飢餓をまねく大きな理由になっているんだ。
そうだった…! それが「欠食」につながるんだね。
ほかにも理由はあるよ。たとえば日本では、おじいちゃんやおばあちゃんなどと同居する大家族ではなく、親と子だけの「核家族」化が進んでいるよね。だから、大勢でご飯を食べる時間が減っているんだ。加えて、共働きの家庭が増えているから……
ひとりでご飯を食べる「孤食」が増えている、ってことだね。
そう。ひとりでご飯を食べていると、つい食べるものが偏ったり、「一食くらい抜いてもいいや」って思っちゃったりするよね。食事をする環境が悪いと、自然と栄養バランスも偏りがちになってしまう。
ほかにも問題があるよ。日本では、とくに若い女性の間で「やせすぎ」や「栄養失調」の問題が深刻になっている。その大きな理由は、行きすぎたダイエットなんだ。
このように、十分な食料があるはずの日本でも、食生活の問題はたくさんあるんだよね。
そっか…。あ、でも、家ではなかなか十分な食事がとれないこどもたちのために「こども食堂」があるんだよね!
そう!こども食堂の数は年々増えていて、2020年時点で少なくとも5086か所はあると言われているよ(※)。これからもどんどん増えていったらいいね。
※むすびえ『こども食堂全国箇所数調査2020』を参照
みんなが毎日の食事を見直して、たのしく、おいしく食事がとれるようになるといいなあ。それが「飢餓をゼロに」の目標への第一歩になると思うんだ! さあ、今日もおいしくご飯を食べよう!
構成・文/塚田智恵美
イラスト/奈良裕己