「地球防衛隊SDGs」第40話解説編「インフラのイノベーションで、世界が変わる?」
ちょっと
イノベーションがテーマのまんが第40話はコチラ!
既に取 り組 んでいる地 域 もある「遠 隔 診 療 」。新 しい技 術 で何 ができる?
ねえ、スモール。
今、空たちの身の回りのインフラがどんどん進化しているんだよね。電気やガス、交通などの分野で、新しい技術が使われているって聞いて、びっくりしたよ。いつか病院に行けない人が、遠隔診療を受けられる未来がくるといいよね~!
ふふふ…。空、それ遠い未来の話じゃないかもしれないよ。もう既に遠隔診療を導入している地域があるんだ。
ええええっ?
実際に取り組みを行っている、長野県伊那市の「モバイルクリニック」を紹介しよう!
伊那市と伊那市医師会の推進するモバイルクリニックは、オンライン診療のための専用の車が看護師さんと一緒に、なかなか病院に行けないお年寄りの患者さんや、出産を終えたお母さん・赤ちゃんのいる自宅を訪問するしくみだよ。車内でビデオ通話を使って、オンライン診療を行うんだ。
お医者さんがそれぞれの家をまわって診療するのには時間がかかるし、たくさんの患者さんを診ることはできない。でもこれなら、お医者さんは病院にいたままで、遠くにいる患者さんも診療を受けられるってことだね! すごい!
こうしたモバイルクリニックを診療だけではなくて、病院と薬局が連携した薬の処方や、介護サービスなどにも広げているそうだよ。さすが、2021年に「SDGs未来都市」に選出された伊那市だね!
※「SDGs未来都市」は、国が、SDGsの達成に向けて優れた取り組みを行う地方公共団体を、毎年30団体程度選定するもの。
通院の難しい患者さんに対しても、医療の機会を広げていく…そんな変化が今もう既に始まっているんだね。すごい!
でもさ、こうした取り組みができるようになったのは、ビデオ通話の技術が進化したからだよね。
そのとおり! じゃあ、改めて今起きている3つの大きなイノベーションと、それに伴いインフラがどんな変化をとげる可能性があるのか、まとめてみよう。
イノベーションその1
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)
センサーをつけることで、身の回りのさまざまなモノがインターネット経由で通信できるようになり、大量のデータを収集できるようになった。
■たとえばインフラはこう変 わるかも?
電気:インターネットに接続できる家電を使えば、消費電力をリアルタイムでチェックし、不要なところはカットする省エネに取り組めるかも。
イノベーションその2
5G(第 5世 代 移 動 通 信 システム)
通信環境の技術が進化し、大容量のデータをリアルタイムで、同時に送れるようになった。
■たとえばインフラはこう変 わるかも?
交通:リアルタイムで大量の情報をやりとりする必要がある、車の「自動運転」が可能になるかも。
イノベーションその3
AI(人 工 知 能 )
人間の力なしに、コンピュータだけで画像や文字を分析する技術が進化した。
■たとえばインフラはこう変 わるかも?
水道:地下水情報などさまざまな複雑なデータをAIが分析することで、水道管の劣化診断や漏水の早期発見ができるかも。
こうやって見てみると、空の生活の中にもいろんなところで、新しい技術が使われているなって思うよ。たとえば最近は、小学校でオンライン授業を受けることもあるもん。
身近なところでどんな技術が使われているか、探してみるのはいいね! 新しい技術を使うことで、生活や産業に必要な設備やサービスの形やしくみが、ガラッと変わるかもしれない。
それは、「新しい技術の登場によって、これまでインフラの整備が行き届いていなかったところにもインフラを届けることができるかもしれない」ってことだね!
さすが空! そのとおりだよ!
未来の話だと思ってた遠隔診療も、既に取り組みが始まっているんだもん。なんだか世界が変わるような気がして、ワクワクしてきちゃった。空もインフラのイノベーションについて、アイデアをふくらませてみようっと!
構成・文/塚田智恵美
イラスト/奈良裕己