「地球防衛隊SDGs」第41・42話解説編「さまざまな『不平等』があることを知ろう」
ちょっとむずかしそうだけど、
戦争などが理由で、住む場所を追われた人たちの「不平等」をどう考える?
ねえ、スモール。
地球防衛隊SDGsで身の回りから「不平等」を探してみたんだけど…、世の中には、たくさん不平等があるんだね。それで気づいたんだけど、不平等の問題ってSDGsの他の目標にも、関係しているんじゃないかな。
おおっ、いい気づきだね。どんなふうに関係していると思った?
たとえば性別による機会の不平等は「ジェンダーによる差別の問題」(目標5)につながっているし、貧しさによる不平等は、児童労働などの「働き方の問題」(目標8)につながっているよ。不平等について考えることは、SDGsの他の目標を達成するためにも必要なんじゃないかな。
さすが空! SDGsの「誰一人取り残さない」という考え方を達成するためには、あらゆる人が同じようにチャンスを分けあえるような世界にすることが必要なんだよね。
だからSDGsでは「10 人や国の不平等をなくそう」という目標が掲げられているんだ。その中には「2030年までに、年齢、性別、障がい、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態などにかかわらず、すべての人が、能力を高め、社会的、経済的、政治的に取り残されないようにすすめる」とも書かれているんだよ。
そういえば、戦争などを理由に、生まれ育った国を離れて別の国に移住する人たちが、「移住した先でも不平等な扱いを受けることが問題になっている」って、スモール、言ってたよね?
最近、ウクライナの多くの人たちが国外に避難しているってニュースを見たんだけど、避難した人たちはちゃんと受け入れられているのかな…?
ロシアのウクライナ侵攻により、住む場所を追われて避難した人たちに対しては、今さまざまな国で受け入れや支援が行われているよ。
日本では、各地の自治体が、避難民に対して住む場所などの提供を行っている。たとえば東京都では都営住宅をすみやかに100戸用意して、最大700戸まで対応ができるとしているよ(2022年5月18日時点)。
それから、ウクライナから避難してきた人たちの生活のサポートをするために、ウクライナ語やウクライナの文化を伝えている人たちもいる。東京外国語大学は、避難民の受け入れを行う自治体や企業の担当者を対象に、オンラインのウクライナ語講座を緊急開講したんだよ。
へえ~! 避難してきた人たちが安全に暮らせるように、サポートが行われているんだね!
ただ、紛争で苦しんでいるのはウクライナの人だけじゃないよね。他の国の人たちも含めて、「平等」のあり方を考えていく必要もあるんだ。
なるほど…。いろんな「不平等」の形があるんだね。
いま国同士の不平等の話をしたけど、ひとつの国の中にある「不平等」についても目を向けて、改善していかなきゃいけないし…。ところで、どうすれば不平等ってなくせるんだろう?
そこが肝心だね! 次回、一緒に考えてみよう!
構成・文/塚田智恵美
イラスト/奈良裕己