「地球防衛隊SDGs」第47・48話解説編「SDGsの達成に必要な国際協力」
ちょっとむずかしそうだけど、
かつての日本 も、さまざまな国 から支援 を受 けて発展 してきた
ねえ、スモール。
いよいよSDGsの17の目標のラストにたどり着いたね!
えーっと、最後の目標はたしか…、パ、パートナー?シップ?だっけ?
パートナーシップ! 聞きなれない言葉かもしれないけれど、パートナーシップとは、協力関係のこと。SDGsのさまざまな課題を解決するためには、一部の人だけで頑張るのではなく、さまざまな人や団体、国同士による協力が不可欠なんだ。
ほかの国とも、そのパートナーシップを結ぶことが大事なんだよね?
そう。国際協力の形として代表的な例がODA(政府開発援助/Official Development Assistance)。先進国が途上国に対して行う経済的・技術的な援助のことだよ。
日本は現在も、さまざまな国に対して援助を行い、途上国の貧困削減や、平和構築などに貢献しているよ。その方法は資金援助だけではなく、インフラを整備したり、防災の知識や技術を提供したり、ボランティアを派遣したりと、多岐にわたっている。
「ODA見える化サイト」(JICA)を見ると、日本がこれまでどんな援助をしてきたのか、くわしい事例が載っているから参考にしてみてね!
途上国を助ける活動は大事だよね! これまでSDGsについて学んできたけど、途上国が抱える問題がいっぱいあったもん。飢餓や貧困、学校に行けない子どもたちの問題とか…。
そうだね。だけど同時に、途上国の支援をすることは、先進国のためでもあると思うよ。
え? なんで?
たとえば地球温暖化の問題や、感染症の問題などは、世界全体に広がっていく。一部の国だけに問題を押し付けていると、世界全体に悪影響を及ぼすおそれがあるんだ。国同士で協力しなければ、解決できないよね。
そっか。途上国を支援することが、めぐりめぐって、先進国の問題の解決にもつながるかもしれないんだね。
さらに、もっと直接的な「いいこと」もあるよ。たとえば日本の製品や、日本発の技術を提供すれば、いろんな国の人たちに「日本の製品ってスゴい!」「日本の技術によって助けられた!」と知ってもらうことができる。そして、ゆくゆくは世界中で日本発の製品や技術を買ってもらえるかもしれない。
すごい! 先進国にとって直接的にもいいことがあれば、支援が進みそうだね。実は、ちょっと心配していたんだ。ひょっとしたらSDGsについてあまり知らない人たちの中には「途上国の支援をするよりも、日本のためだけにお金を使おう!」と考える人もいるかも…と思って。
うーん…。そんなふうに考える人も、いるかもしれないね。でも、日本はかつて、さまざまな国から支援を受けて、貧しさから立ち直ったんだよ。
え? 日本も支援を受ける側だったの?
そう。今から80年近く前、第2次世界大戦が終わったころ、日本はとても貧しくて、食べるものや着るもの、医薬品などが足りていなかったんだ。そのころに世界中の国々から救援物資が届いたり、国連児童基金(ユニセフ)から日本の子どもたちのために65億円(現在の価値で約1,300億円)もの資金が届けられたりしたんだよ。
※参考「1.国際協力の目的について」(JICA)
そっか…。今の日本があるのは、海外の国からの援助があったおかげもあるんだね。そのことを忘れずに、これからもSDGs達成を目指して、いろんな国とパートナーシップを結べるといいな!
パートナーシップと一言で言っても、国同士だけではなく、いろんな形があるよ! 次回、またくわしく学んでいこう!
構成・文/塚田智恵美
イラスト/奈良裕己