「地球防衛隊SDGs」第64話解説編「SDGs達成のためのキーワード、IDGs」
ちょっとむずかしそうだけど、
「IDGs」をテーマにしたまんが第64話はコチラ!
一人 ひとりの価値観 が変 わり、行動 が変 わる。その積 み重 ねで世界 が変 わる
ねえ、スモール。最近ものを捨てる前に「これを何かにリメイクできないかな?」と自然に考えるようになったよ! 修理すればまだ使えるものは、リペアして長く使うよう心がけているよ。SDGsについて学ばなければ、こんなふうには思わなかったかもしれないな。
おおっ。空もしっかりと「内面の成長」を遂げているんだね!
あ、それモジャ先生が言っていた、SDGsの新しいキーワードに関連する話だね!
そうそう。近年、SDGsを達成するためには「人の内面の成長」が欠かせないという考えのもと、Inner Development Goals(内面の成長目標)、通称「IDGs」が策定されるようになったんだよ。
ところでなぜ今、IDGsが必要なんだろう?
これまで多くの国々がSDGsに取り組んできたけれど、目指してきたほどのスピードでは目標を達成できていないのが現状なんだ。それにSDGsとは名ばかりで表面的な取り組みにとどまってしまう、といったケースも出てきている。
あっ、それは「SDGsウォッシュ」につながるね。
まさにSDGウォッシュの問題だよ。見かけだけのSDGsではなく、真のSDGsを達成するにはどうすればいいか。この課題のもと、社会を変えていくためには、まず自分たちが持っている価値観や常識、それによって引き起こされる行動パターンを変えていかなければいけないと考えられるようになったんだ。その結果、「IDGs」という一人ひとりの内面成長目標の概念が生まれたんだよ。
なぜ個人が持っている価値観や常識を変えることがSDGsの達成につながるの?
たとえば、空はこれまでSDGsのゴール12「つくる責任・つかう責任」などについて学んだり、具体的な取り組みをしている高校生の話を聞いたりして「持続可能な社会を維持していくためには、ごみを減らすことが必要だ」と思うようになったんだよね。だからごみとして捨てる前にリメイクできないか考えたり、修理して使い続けたりするようになった。
うん、そうだけど……。あっ、そっか! 空の価値観が「ごみを減らすべきだ」と変わり、それにともなって行動も変わった。こうやって一人ひとりの内面が変わり、行動を変えることを積み重ねていくと、世界もより良くなっていくんだね。
そのとおりだよ、空! これからは企業にも、外的なSDGsの成果やパフォーマンスだけを向上させるのではなく、一人ひとりの成長を促すような取り組みが求められていくかもしれないね。
社会を変えるためには、一人ひとりの変化や成長が欠かせないということだね。これからも成長し続けられるように、どんどん学んでいこう!
イラスト/奈良裕己
塚田智恵美
ライター/編集者。1988年、神奈川県横須賀生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後、ベネッセコーポレーションに入社。『進研ゼミ中学講座』の編集を経て、2016年に独立。教養・学問・ビジネス・教育コンテンツの分野で、雑誌・Web記事、書籍のライティングを行う。「ワクワクする」「素人でもわかる」「知らないことをまなびたくなる」言葉や図解、マンガ、物語、シナリオなどで表現するのが得意。文京区在住。お酒と料理が好き。