日本の歴史を振り返るときに、ぜひ押さえておきたい重要な出来事がいくつかあります。写真や動画などがない時代のことは史料からでしかその様子を知ることはできませんが、もし、その時、その場所にいたら、どんな景色が見られたでしょうね。そんなワクワクを、現実感のあるイラストで体感できる本が、『まる見え!日本史超図鑑』(ワン・パブリッシング)です。その時空を超えるようなイラストの世界のうち、今回は「池田屋事件」を近藤勇、「江戸城」を徳川家康に案内してもらいましょう。
池田屋事件
新選組隊長の近藤勇だ。ここは江戸時代の終わりごろ、1864年の京都。幕府と将軍のため、警察のように治安を守る活動をしたわれわれ「新選組」の名を全国にとどろかせた「池田屋事件」の現場だぞ。新選組の隊員たちが、幕府を倒そうと計画する浪士たちの集まる旅館を襲撃したんだ。
その時、新選組の隊員たちがどう動いたか、クイズにしたから、挑戦してみてほしい。現場にいた隊員たちの名前と、イラスト上の位置を、正しく結びつけてみてくれ。
イラスト©伊藤展安、人物イラスト©トリバタケハルノブ
隊員の名前と居場所を、全部、当てられたかな。正解は、次の解説付きのイラストを見てくれ。どうだ、あの夜の一連の出来事が、まさに目の前で動きだすように分かるだろう。
江戸城
江戸幕府初代将軍の徳川家康じゃ。260年続いた平和な時代の拠点が、わしがつくった江戸城。ここは江戸時代中期のころの江戸城周辺じゃのう。空から眺めたようなパノラマイラストと、きみたちが住んでいる現在の写真地図と見比べてみるかの。わしのつくった江戸城は現在でもあるじゃろうか?
5つの地点で、現在と比べると
❶天守はイラストの江戸中期の時にすでに火事で焼けてしまっていたが、天守台だけは残っていた。今もこの天守台が残っている
❷将軍が住んだ本丸は庭園になっている
❸幕府で役職をつとめた大名が住んだ西の丸下も広場になっている
❹将軍職を終えた大御所や次の将軍などが住んだ西の丸は現在、皇居として天皇が住んでいる
❺将軍家一門の屋敷があった北の丸には、武道館や科学技術館が建っている
どうじゃ、場所ごとの使い道は変わっていても、お堀など土地の形など変わっていないこともたくさんあって面白いのう。わしが土木工事を行って、日本一のお城につくり上げたが、1657年の「明暦の大火」で天守は消失してしまったとはのう。りっぱな天守だったんじゃが短い命だったようじゃ。せめて、残る天守台や石垣を見て、大きさを想像しておくれ。
現在の地図は国土地理院ウェブサイト「地理院地図」のもの。検索窓から「江戸城」で調べて、地図の種類を「写真」に変更。ツールの「3D」を選んで、角度などをイラストに近づけるように調整したんじゃ。『まる見え!日本史超図鑑』には、この江戸城のイラストのように、空から眺めたようなパノラマイラストがたくさん。同じように現在の地図と見比べてみてもよいじゃろう。
国土地理院ウェブサイト「地理院地図」
3種類のイラストでタイムスリップ! いままでにないビジュアル歴史図鑑
ここまで見てきたように日本史に登場する有名な都市や建物、出来事を、まるでタイムスリップしたみたいにイラストで、分かりやすく学べる本が『まる見え!日本史超図鑑』。掲載しているイラストは、縄文時代の集落から、鎌倉時代の蒙古襲来、戦国時代の忍者屋敷、昭和時代の原宿のホコ天まで計60点もあり、ボリュームたっぷり。歴史を直感的に楽しく学べる一冊になっているから、ぜひ読んでみてね。
『まる見え!日本史超図鑑』
発売日:2023年11月24日
出版社:ワン・パブリッシング
判型:A5変形(正方形)
ページ:オールカラー128ページ
価格:本体価格1600円+税
イラストは「透視」「パノラマ」「場面」の3種類
「透視イラスト」では、実際には外からは見えない建物や地面の中を、あたかも透視しているかのように描いているので、内部構造がよく分かるよ。
「パノラマイラスト」では、まるで鳥になったような目線で、都市や施設を上空から描いているので、地上にいては見ることができない全体像が隅から隅までよく分かるよ。
「場面イラスト」では、重大事件や戦いの現場の状況を再現し、まるでその場にいるかのような臨場感が味わえるとともに、当時の状況もよく分かるよ。
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