雨の季節、梅雨の本番を前に、リニューアルされた防災気象情報の運用が始まります。対象の災害は、大雨に伴う浸水、河川の氾濫、土砂災害、台風などに伴う高潮の4つ。警報・注意報として、発生しそうな災害の危険度と、いま取るべき行動の目安をセットにして発表することで、避難などの判断がしやすくなりました。新しい警報・注意報の仕組みを紹介します。新しい防災気象情報は2026年5月29日からのスタートです。
「警戒レベル+警報名」、色でも伝える
例えば、住んでいる地域に「大雨警報」が発表されたとしましょう。みなさんは、どんな行動を取るべきか、分かりますか。
正解は、「高齢者など避難に時間のかかる人は避難を始めて、そうでない人も避難の準備をする」です。しかし、「警報=避難準備」と頭に浮かぶ人は少ないかもしれません。このように、警報は出ても、それがみなさんの行動と結びつきにくかったことが、これまでの防災気象情報の1番の弱みでした。
そこで、新しい防災気象情報では、「警報の名前」と、行動の目安となる「警戒レベル」とを一緒にして発表されることになりました。
例えば、先ほどの大雨警報であれば「レベル3大雨警報」となります。
警戒レベルは5段階、5色
警戒レベルは、みなさんに「自分の命は自分で守る」という意識を持ってもらうため、2019年から使われている行動の目安です。レベル1~5まで5段階あり、それぞれのレベルに対応する色も決まっていて、見た目でも違いが分かりやすくなっています。
●警戒レベル5=黒=命の危険、直ちに安全確保
すでに災害が発生している可能性が高く、この段階で避難所などへ向かうのはかえって危ない。自宅なら山や崖から離れた部屋へ移ったり、2階や3階などより高いところへ上がったり、少しでも安全な場所へ移動する。
●警戒レベル4=紫=危険な場所から全員避難
災害が発生してもおかしくない状態で、警戒レベル5になる前に避難を終えておく。
●警戒レベル3=赤=避難の準備、避難に時間がかかる人は避難
高齢者や小さい子どものいる家庭、ケガ人や病気の人がいる家庭は避難。そうでない人も避難の準備をする。
●警戒レベル2=黄=避難行動を確認
まだ避難は必要ないが、今後避難が必要になりそうな段階。警戒レベル3になるまでにハザードマップなどで避難場所や避難ルートを確認しておく。
○警戒レベル1=白=災害への心構えを高める
テレビやインターネットなどを通じて今後の気象情報に注意する。
これによって、先ほどの大雨警報であれば、「レベル3大雨警報=避難準備」という意味になることが分かります。
また、テレビやインターネットの気象情報、災害が発生する危険度を地図上で示す気象庁「キキクル」でも同じ色分けがされます。日々の生活でも「黄色は注意」、「赤は危険」というイメージがあるでしょうが、ここでは「赤は警戒」、さらにその上に、「紫は危険」、「黒は災害が目の前に迫っている」まであるのです。
2025年8月21日の鹿児島県での大雨について、災害の危険度を色分けして示した「キキクル」の画像
警報などの名前を整理して統一
これまでは、災害ごとに警報の名前が違っていたり、同じ警報の名前でも危険度が異なっていたり、そもそも警戒レベルに対応した警報などがなかったりして、とても複雑でした。そこで、新しい防災気象情報では、大雨、河川氾濫、土砂災害、高潮のすべて共通したものに統一されました。

●警戒レベル5=○○特別警報
●警戒レベル4=○○危険警報
●警戒レベル3=○○警報
●警戒レベル2=○○注意報
○警戒レベル1=早期注意情報
警戒レベル4の「危険警報」はこれまでなかった新しい名前です。また、高潮警報や高潮特別警報など、これまでもあった警報の名前でも、対応する警戒レベルが変わったものもありますので、最初のうちは注意も必要です。
予測できる大雨の災害、レベル4になったら必ず避難を
大雨や高潮による災害は、同じ自然災害であっても地震とは違って、事前に予測ができ、避難するまでの準備ができ、災害が発生する前に避難できるのが特徴です。新しい防災気象情報では、災害の危険度と、取るべき行動を示す警戒レベルがセットで発表されるので、「紫」、「レベル4」、「危険警報」を見聞きしたら、必ず危ない場所から避難をして命を守る行動を取りましょう。