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日経平均株価ってなに? 史上最高値になった理由【子どももわかる経済】

日経平均株価ってなに? 史上最高値になった理由【子どももわかる経済】
朝日新聞社

会社の持ち主になる権利に値段/ほしがる人が多いと高く

まず「日経平均株価」の意味を知りましょう。株価は「株式の値段」、株式は「株式会社の持ち主になる権利」のことです。「この権利は売り買いでき、値段がつきます。この値段が株価」と鈴木さん。

日本には約255万の会社があります。ただし、株式を自由に売り買いできるのは、「上場」している株式会社だけ。そのうちの1553社(6月末時点)から、日本経済新聞社(日経)が選んだ225社の株価の平均が、日経平均株価です。

日経平均株価が過去最高の7万円台を記録したのは、「225社にふくまれる会社の持ち主になる権利がほしい人が増えているということ」。たとえばポケモンカードでは、強かったりレアだったりするカードはほしがる人が多く、値段が上がります。それと同じことが株式にも起きます。

株式をほしがる人が多いのは「世の中で必要とされる製品をつくったり技術があったりする会社や、今後もっともうかると予想できる会社など」。そんな会社の株式を持っていると得をするそうです。

「1万円で買った株式が10万円で売れたら、その人は9万円かせげます。また、もうけの一部をお金やサービスとして株式の持ち主に配る会社もあります」

日本経済全体が上向きとは言えない

株価が高い数社に引っ張られることも

日経平均株価がのびているということは、日経が選んだ225社が今後もうかるとみられている。日本の経済も上向くかも――。こう考えそうですが、鈴木さんは、そうとは言い切れないといいます。

「日経平均株価は、225社の株価の『平均』。つまり、すべての株価が上がらなくても株価が高い会社が数社あれば、それに引っ張られて高くなります。日経平均株価が上がっても、日本の経済全体がすぐによくなるとは言えません」

いま日経平均株価が上がっているのは、AI(人工知能)に関わる技術を持つ会社に期待が集まり、平均の値を上げている、また世に出回るお金の量が増え、株式に投じられていることなどが理由です。

日経平均株価が、この名前で計算・公表されるようになったのは1985年から。2024年2月にぬかれるまで約34年最高値だったのは、1989年12月29日の売り買いが終わった時点の「3万8915円87銭」です。

このころは「とてもお金が借りやすい時代だった」と鈴木さん。「借りたお金をいろいろなことに使うことができました。家や土地などの不動産や株式を買おうという人も多かった。そのため不動産の値段や株価も上がりました」

東京証券取引所 朝日新聞社

「バブル景気」の時代

当時の日本の経済のようすを「バブル景気」といいます。「バブルは泡のこと。不動産の値段や株価が泡のようにふくらみ続けました。その後、政府がお金を借りにくくする政策をとると、不動産の値段や株価は一気に下がりました」

一方、日経平均株価が下がった時はどうでしょう。バブルの後で最安値になったのは2008年10月28日。6994円90銭まで下がりました。いまの10分の1くらいです。

「原因はこの年の9月、アメリカを代表する金融機関のリーマン・ブラザーズが倒産したこと。世界全体が、これから経済はどうなっていくのかと不安におそわれました。その影響を受けて、日経平均株価も大きく下がりました」

2008年9月16日、アメリカのリーマン・ブラザーズの倒産を受け、日経平均株価が大きく下がりました=東京都中央区 朝日新聞社

社会や世界の動きも株価にひびく

その後、株価は24年2月22日の終わりに3万9098円68銭をつけ、1989年の最高値を更新。半導体に関連する会社の株価が好調だったことなどが理由とされます。

日経平均株価は、対象となる会社の業績だけでなく、社会や世界の動きにも影響を受けます。「たとえば日本の首相やアメリカの大統領の交代、戦争、そして天気もです。その会社が工場を出す国に大雨が降って洪水が起こるかもしれないとなれば、それも株価に影響します」

海外にも、日経平均株価のように経済の指標となる数値はあります。そうした指標も見つつ、日経平均株価を社会や世界の動きとつなげて考えると、視野が広がるそうです。

もっと知りたい日経平均株価

Q 株はどこで売り買いされる?
A 証券取引所。日本には東京、名古屋、福岡、札幌の4か所にあります。

Q 日経が225社を選ぶ基準は?
A 日本を代表する会社から、業種にかたよりがないよう選びます。株式の売り買いが活発な会社というのも基準。年に2回、見直されます。

Q 小学生でも株式は売り買いできる?
A 親の同意があればできます。ただ売り買いは親が代理でします。

授業や教科書では

中学で企業のしくみを学ぶ

小学校では5年の社会で農業や水産業、工業、情報産業といった産業を学びますが、「株式」は取り上げません。中学校では社会の公民で、「企業と生産」について学びます。企業は、元手となるお金(資本)を用意し、土地・設備・働き手(労働力)を手に入れて商品を生産し、もうけ(利潤)を得ます。

企業をつくるにはお金が必要ですが、それを得るためのしくみが「株式会社」です。会社が株式を発行し、多くの出資者(株主)に買ってもらうことでお金を集めます。ある企業の業績がよくなり、株式を買いたい人が増えれば株価が上がり、逆に業績が悪くなると株式を売りたい人が増え、株価は下がります。

電子化してあずける手続きのため仕分けされる株券。2009年に紙での取引が廃止されました=2008年9月、東京都中央区 朝日新聞社

家族と話そう

 どんな会社の持ち主になる権利がほしいか、話してみよう

鈴木万久美(すずき・まくみ)

本人提供

 アップストリーム・エデュケーション代表。国内外の証券会社などで働いた経験を生かし、マネー教育の先生をしています

(朝日小学生新聞2026年7月24日付)

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