金(ゴールド)の価格はなぜ上がる? 経済の専門家がやさしく解説

金(ゴールド)の価格はなぜ上がる? 経済の専門家がやさしく解説

題字デザイン・佐竹政紀

金きんは世せ界かいで古ふるくから価か値ちがあるとみなされてきた金きん属ぞくです。この1年ねんで60%パーセント以い上じょう、価か格かくが上あがっています。背はい景けいには、戦せん争そうなどの危き険けんの高たかまりや、景けい気きへの不ふ安あんがあります。

世せ界かい共きょう通つうの「価か値ちのものさし」 価か格かくが上じょう昇しょう

   は大だい事じな言こと葉ばなので調しらべてみよう

金のコインやインゴット(地金)=2023年9月、東京都千代田区 ©朝日学生新聞社

Qキュー 金きんは経けい済ざいでどんな存そん在ざい?

Aエー 価か値ちが安あん定ていし、物ぶっ価か高だかにも強つよい、投とう資しでの「最さい後ごのとりで」

金きんは古こ代だいから人ひと々びとが価か値ちを認みとめてきた金きん属ぞくで、6千年ねんほどの歴れき史しがあるとされています。人じん工こう的てきに作つくれないので、お金かねのように世よに出で回まわる量りょうを増ふやせず、さびにくく、どこでも通つうじる「価か値ちを測はかるものさし」となってきました。

紙し幣へいを発はっ行こうする中ちゅう央おう銀ぎん行こうも、資し産さんとして金きんを持もちます。株かぶなどの値ね動うごきと結むすびつきにくいため、物ぶっ価かが上あがるときや、戦せん争そうや貿ぼう易えきまさつなどの危き険けんが高たかまるときに、「安あん全ぜんな資し産さん」として選えらばれやすいです。

それぞれの国くにが発はっ行こうする通つう貨かの価か値ちがゆれ動うごくときでも、金きんを作つくり出だすことができない現げん代だいでは、投とう資しでの「最さい後ごのとりで」になりやすい特とく徴ちょうがあります。

©朝日新聞社

金きんの相そう場ばは10月に史し上じょう最さい高たか値ねをぬりかえました。一いち時じは1オンス(約やく28グラム)=4100ドル(約やく63万まん円えん)をこえました。

金きんの価か格かくが急きゅうに上あがるのにはいくつかの理り由ゆうがあります。一つは物ぶっ価かが上あがることへの心しん配ぱいです。物ぶっ価かは通つう貨かの価か値ちに大おおきく影えい響きょうします。物ぶっ価かが上あがるということは、その国くにの通つう貨かの価か値ちが下さがることを意い味みします。

一いっ方ぽうで金きんは価か値ちが保たもたれやすく、物ぶっ価かの上じょう昇しょうに強つよい資し産さんです。物ぶっ価かが上あがって通つう貨かの価か値ちが下さがる心しん配ぱいがあると、金きんを買かって資し産さんを守まもりたいと考かんがえる人ひとが増ふえやすくなります。

Qキュー 金きんが高たかくなる背はい景けいは?

Aエー 中ちゅう央おう銀ぎん行こうの資し産さん、米べいドルから金きんに乗のりかえ

さらに近きん年ねん、世せ界かいの中ちゅう央おう銀ぎん行こうが金きんを積せっ極きょく的てきに買かっていることも金きんの価か格かく上じょう昇しょうに影えい響きょうしています。世せ界かいの中ちゅう央おう銀ぎん行こうが2022~24年に買かった金きんの量りょうは年ねん1千トンをこえていて、25年も同おなじ状じょう況きょうが続つづく見み通とおしです。中ちゅう央おう銀ぎん行こうは一いち度ど買かった資し産さんをめったに売うらないため、金きんの価か値ちを支ささえています。

世せ界かいの中ちゅう央おう銀ぎん行こうが持もつ資し産さんの中なかで、最さい大だいの割わり合あいをしめるのが、世せ界かいで最もっとも使つかわれる通つう貨かであるアメリカ(米べい国こく)のドルです。ただ、1999年ごろから比くらべると、その割わり合あいは少すこし下さがっています。いくつかの国くに・地ち域いきの中ちゅう央おう銀ぎん行こうは米べいドルを売うり、金きんにかえています。

財務省が11月10日に発表した日本の外貨準備高のデータによると、日本政府は約846トンの金を保有しています ©朝日学生新聞社

中ちゅう央おう銀ぎん行こうは保ほ有ゆうする資し産さんをめったに売うらないのですが、今いまの米べい国こくは貿ぼう易えきなどで多た額がくの赤あか字じをかかえ、関かん税ぜいをめぐる問もん題だいなどもあって将しょう来らいが心しん配ぱいされることなどから、多おおくの中ちゅう央おう銀ぎん行こうが金きんにかえる動うごきをしているようです。

米べい国こくの中ちゅう央おう銀ぎん行こう(FエフRアールBビー)が金きん利りを引ひき下さげるかもしれないとの情じょう報ほうもあり、さらに投とう資しのお金かねが金きんに集あつまりやすい状じょう況きょうが生うまれています。

メモ

基き軸じく通つう貨かの米べいドル 人にん気きは曲まがり角かど?

世せ界かいの貿ぼう易えきや金きん融ゆうで中ちゅう心しん的てきに使つかわれる通つう貨かを「基き軸じく通つう貨か」と呼よびます。これまでスペイン→オランダ→イギリス→米べい国こくと移うつり変かわっていて、およそ100年ねんの周しゅう期きで入いれかわっています。米べい国こくのドルの人にん気きも曲まがり角かどに来きているのかもしれません。

とはいえ、今いまの時じ点てんで米べいドルが果はたす役やく割わりはまだまだ大おおきいです。米べいドルの信しん頼らいが失うしなわれるわけではなく、世せ界かいで資し産さんが多た様ようになる中なかで、金きんの役やく割わりが増ましているともいえそうです。もっとも金きんの人にん気きは根ね強づよく、2026年に1オンス=5千ドルに達たっするとの予よ想そうもあります。

解かい説せつ/崔さい真ま淑すみ(エコノミスト・「グッドニュース アンド カンパニーズ」代表取締役)
(朝日小学生新聞2025年11月15日付)

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