「探究学習」で自ら考え学ぶ力を伸ばそう! 学研プラス・パナソニック・東急によるサマースクールが開講
教育界で注目のキーワード「探究学習」。子どもが自ら興味・関心を持った事柄について、自分なりに学び、考える主体的な学習を指す言葉です。2022年度には、新たな高等学校学習指導要領に基づき「探究」を冠した科目が新設されます。これを受けて、小中学校でも探究型の授業が必修科目に加わるのでは、という予測も。既に中高一貫校では、「自ら考え学ぶ力」を問う内容を入試に盛り込んでおり、今後、この動きが加速するとみられています。
AI社会で活躍できる力を育てる
今、なぜ「探究学習」が求められるのでしょうか。それは、IT化やグローバル化の進展、さらには人工知能(AI)の普及などによって目まぐるしく変化する社会に対応し、上手に生き抜く力を養うためです。
例えば、AIの技術が発展して社会に浸透していくと、AIと人間で仕事の役割分担が進みます。具体的には、正確さや効率が求められる単純作業はロボットの得意な領域。AI技術が高度化すれば、その範囲はさらに拡大するでしょう。一方で、“計算”が不可能な仕事、倫理観・感受性・創造性が問われる仕事は、AIには代替できません。そして、AIと人間の得意/不得意を見極め、両者の協働を図るのも、人間の範疇です。
こうした人間の仕事において必要とされるのが、言われた通りに動く能力でないことは明らかです。主体的に課題を発見し、さまざまな要素から複合的に思考し、その時どきで最適な解を見つけ出す能力、つまり「自ら考え学ぶ力」がますます重要になっていくと考えられます。探究学習を通じて「自ら考え学ぶ力」を育てることで、子どもたちが新しい社会に柔軟に対応し、活躍できる可能性が広がるのです。
探究学習を体験できるサマースクールが開講
とはいえ、教科書に沿って学ぶ授業に慣れている保護者にとって、探究学習は新しい学び方。探究学習を体験させてみたいけれど、どのように子どもをサポートすればよいのか分からない、という保護者も多いのではないでしょうか。探究学習の手法を取り入れた学びの場は、まだ限られているのが実情です。
そんな中、探究学習の機会を子どもたちに提供する試みが、この夏にスタートします。株式会社学研プラス(東京都品川区、以下「学研プラス」)とパナソニック株式会社(大阪府門真市、以下「パナソニック」)、東急株式会社(東京都渋谷区、以下「東急」)の3社が共同で開講するサマースクール「綱島SST探究サマーラボ」(2021年7月24日~8月28日、以下「探究サマーラボ」)です。
探究サマーラボでは、子どもたちが自由に利用できるスペースと、3社の事業ノウハウを活かした4つのプログラムを用意。【1】課題を見つける、【2】情報を収集・整理・分析する、【3】考えたこと・調べたことをまとめる、【4】発表してフィードバックを受けるーーの4ステップの繰り返しを通して、探究心や課題解決力、コミュニケーション力、創造性を育んでいきます。
ホンモノに触れて学ぶ
探究サマーラボで提供する4つのプログラムは、いずれも少人数制で実施され、常駐するチューターが1人ひとりをサポート。探究サマーラボで調べ、考え、まとめ、作りあげたものを、そのまま夏休みの自由研究にしてもよいでしょう。パナソニックのロボット掃除機「RULO」を動かす、東急のショッピングセンターを見学するなど、ホンモノに触れながら学べるのもメリットです。
①探究ラボ
小学校中・高学年向けのコース「ロボティクス探究」(全8回)と「ショッピングセンター探究」(全8回)、低学年向けのコース「みらいワークショップ」(全6回)の3コースを用意。家や学校、塾では経験できない活動を通じて、子どもたちの探究心を刺激します。
・ロボティクス探究
「RULO」を動かす実験やパナソニックの社員による授業を通して、ロボットの仕組みや技術、社会におけるロボットの位置付けなどを学びます。
・ショッピングセンター探究
自分がやりたいお店やショッピングセンター(SC)で開催するイベントを企画しながら、理想のSCを考えます。課外授業では、「たまプラザーテラス」(神奈川県横浜市、運営:東急モールズデベロップメント)を訪れます。
・みらいワークショップ
科学実験で身近な不思議に触れ、「STEAM教育」※の「S」「E」「A」を横断的に学ぶワークショップ。五感を使って観察しながら、空気砲作りやスライム時計作りなどのものづくりに取り組みます。
※ STEAM教育:科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Mathematics)といった教科での学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育
②STEAMプログラミング
STEAM教育の手法を取り入れた、学研オリジナルのプログラム。初心者にも易しいプログラミング言語「スクラッチ」を使って迷路などを作る「スクラッチでゲームづくり」(全4回)と、人気ゲーム「マインクラフト」の世界でプログラミングを体験する「マインクラフトで建物づくり」(全4回)の2コースがあります。
③クリエイティブガレージ
作る・調べる・考えるためのツールや参考書などが使い放題のスペース。子どもたち一人ひとりが探究心を発揮できる、創造のための環境を整えています。
④オンライン探究EdTech
学研とパナソニックが開発したレコメンデーション技術で、子どもに探究動画を提案。子どもたちは、興味を持った動画を自由に視聴しながら、自分の「好き」を見つけていきます。このプログラムは、自宅でも利用できます。
今年の夏休みは探究学習に挑戦
会場となる「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」(神奈川県横浜市港北区)は、パナソニックの工場跡地などを活用して再開発した都市型スマートシティー。その一画にある、普段は技術実証やマーケティング実証に使われているIoTオフィス「イノベーションスタジオ」で、探究サマーラボは展開されます。スタジオ内には、保護者のためのワークスペースも設置。お盆の期間を除いて夏休み中はいつでも「学び場&仕事場」として利用できます。
申し込み期限は2021年7月21日(水)。探究サマーラボを通して、親子で探究学習の楽しさを体験してみてはいかがでしょうか。
【綱島SST探究サマーラボ実施概要】
期間:2021年7月24日(土)~8月28日(土) (8月9日~15日のお盆期間は除く)
場所:Tsunashima SST イノベーションスタジオ(神奈川県横浜市港北区綱島東4-3-10)
対象:小学1年生~6年生
料金:1万6500~2万7500円(税込み)
定員:全30名
申し込み期限:2021年7月21日(水)
詳細・申込先:https://gakken-tech.jp/tanq/