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【令和の運動会あるある】昔と今の違いベスト5!全国の小学校・中学校事情を調査

【令和の運動会あるある】昔と今の違いベスト5!全国の小学校・中学校事情を調査

小中学校の運動会の時期は学校によってさまざま。2023年9月に学研キッズネットが実施したアンケート調査では、春開催と秋開催が半々ということがわかりました。さらに同調査に寄せられた回答から、9月の真夏日増加やコロナ禍を経た意外な令和の運動会事情が浮き彫りに……。

親世代の頃と比べるとどのような変化があるのでしょうか。お子さまの運動会とも比較しながら、お楽しみください!

令和の運動会あるある① 競技数が激減!お昼で終了する学校多数

いちばん多かったのは「午前中で競技が終了する」という回答です。コロナ禍に加えて熱中症対策という観点もあるようで、競技数を大幅にカットして短時間で終わらせる学校が多くありました。

午前中開催の場合は、お弁当を持って行く必要がなく、競技が終わったらそのまま解散して自宅でお昼ごはんを食べるという学校も!

 

「コロナ以降午前中のみ、子どもたちの応援席なし。競技数は減ったが、見やすいしスピーディーで良い。このままでいいと思う」(40代女性・新潟県長岡市/小学校)

「娘の運動会は午前中だけで、お弁当は作ったことがないです。私が小学生の頃はお弁当の時間が楽しみだったのに……」(30代女性・青森県中泊町/小学校)

「お弁当も無く、午前中でプログラム終了。1年に1度というお祭り感がまったく無くなり、粛々とプログラムをこなす雰囲気です」(30代男性・千葉県市川市/中学校)

 

長時間に渡る観覧の負担や、お弁当を作る手間が省けるなど、親としては助かるといった好意的な意見がある反面、なんとなく味気ない、短時間になってしまい子どもたちが寂しそうといった声もありました。

令和の運動会あるある② お弁当は教室で!親子で食べるお弁当タイムがない!

私たち親世代が子どもの頃は、運動会と言えば親子でお弁当を食べた記憶がある方もいるのでは。ところが令和の運動会では、子どもたちは教室に戻ってお弁当を食べ、保護者は一旦家に帰るなど、別々でお昼ご飯を食べるのが主流のようです。

教室でお弁当を食べるイメージ

「子どもたちは教室でお弁当、見学者は帰宅して食事をします」(40代女性・埼玉県吉川市/小学校)

「お弁当は教室なので、激しい場所取りがなくなりました」(50代女性・福島県喜多方市/小学校)

「お弁当ではなく、給食を教室で食べます」(30代女性石川県金沢市/小学校)

 

親子のお弁当タイムがなくなって寂しいという声がある一方で、仕事等で参加が難しい場合は、子どもに寂しい想いをさせずにすむという考え方もあるかもしれません​​。

令和の運動会あるある③ 学年別の開催!他の学年の演技が見られない!

コロナウィルスの感染拡大以降、全学年で一斉に行う運動会から、学年別で開催する運動会へと様変わりしている点も近年の特徴。感染対策から入れ替え制での実施になっている学校も多くありました。

効率よく観覧できるようになったという声がある一方で、ほかの学年の競技が見られず残念、盛り上がりに欠けるといった声も。

 

「低学年、中学年、高学年と3つのグループに分かれていて、1つのグループが2時間で終わる」(40代・女性・群馬県伊勢崎市/小学校)

「席取りの必要がまったくなし。学年ごとに前後入れ替え」(40代女性・東京都足立区/中学校)

「今年も学年ごとで入れ替え制、お弁当はなしです。これに慣れてしまうと楽でいいなと思う一方で、他の学年を見てみたいとも思います」(40代女性神奈川県横須賀市/小学校)

 

ほかには、学年ごとに時間帯が分かれることで、応援しがいがなくなったという声もありました​。

令和の運動会あるある④ 春でも秋でも暑い!熱中症対策が万全に!

気温上昇が年々進み、炎天下の中で運動会の練習や本番を迎えるケースが増えています。

児童たちが熱中症で救急搬送されるニュースも珍しくないため、学校でもできる限りの体制を期しているようです。

救急車の搬送イメージ

 

「生徒は冷房をつけた教室で給食を食べる。校庭フェンスからはミスト噴射」(40代女性・東京都江東区/中学校)

「水筒の中身はお茶、水のほかにスポーツドリンク、熱中症対策のドリンクも可能」(40代女性・東京都狛江市/小学校)

 

学校独自の熱中症対策として、給水タイムをプログラムに組み込んだり、気温によって運動会が短縮されたりするケース​​も。暑さ指数を計るWBGT計を設置するなど、熱中症対策のガイドラインを細かく定めている自治体もあるようです​​。

令和の運動会あるある⑤ SNS時代は撮影禁止!?動画配信がある学校も!

わが子の撮影に気合いが入る保護者の方も多いと思いますが、誰でもSNSにアップできる時代だからこそ、写真や動画の撮影が禁止になった学校も。

 

「ビデオカメラ、デジカメでの撮影が禁止になった」(30代男性・愛媛県松山市/小学校)

「運動会のDVDを後日、生徒に渡してくれる」(40代女性・愛知県岡崎市/中学校)

「運動会の動画配信がある」(40代女性・千葉県成田市/中学校)

 

地域によっては、地元の放送局の撮影が入り、ご当地チャンネル等で運動会の様子が放映されることもあるようです​​。

時間短縮、危険な競技の廃止。令和の運動会事情に対して専門家は

今回のアンケート調査で明らかとなった令和の運動会事情は、開催時間の短縮や熱中症対策に限りません。

​​

「色分けして競い合うことがなくなっていた」(30代男性・神奈川県川崎市/小学校)

「騎馬戦や組体操、棒倒し、大玉送りなどの種目が無くなった」(50代男性・広島県尾道市/小学校)

「順位を付けない」(50代男性・千葉県長生郡/小学校)

 

実際の保護者の声からもわかるように、運動会の形やありかたが変わってきたことで、子どもたちの学びや成長に何か影響はないのでしょうか?

学校教育の歴史に詳しい青山学院大学の木村元先生は、運動会に対する学校の方針を次のように話します。

青山学院大学 コミュニティ人間科学部 特任教授 木村元先生
青山学院大学 コミュニティ人間科学部 特任教授 木村元先生

「家庭の事情がさまざまなため家族と一緒にお弁当を食べることをやめたり、すべての保護者が近くで子どもの競技が見られるように入れ替え制にしたり、組体操やムカデ競争を子どもの安全を守るために廃止にしたり、学校側も問題が指摘されるたびによりよい方法を模索してきました。

全体的な時間短縮に関しては、親や教師の負担軽減というよりは、授業時間確保のため、準備を含めて学校行事にさく時間が少なくなっているという背景があるようです。

ちなみに、『順位を決めないこと』が近年の運動会の特徴というわけではありません。むしろ、戦後ずっと議論されてきたことなんですよ。

臨時教育審議会(1984-87年)後の教育の自由化政策のなかで悪しき平等の典型的な例として、運動会の『手つなぎゴール』が話題となったりもしました。

各学校の事情もありますし、何が子どもたちにとってよい方法か一概には言えませんが、学校に任せるだけでなく、保護者や場合によっては地域の方々が、一緒に考えたり参加したりすることもひとつの方法かもしれません。

どうすれば子どもたちの思い出に残り、成長につながる行事になるのかをいちばんに考えたいですね」(木村先生)

 

アンケート調査概要/期間:2023年8月30日~9月12日 人数:179回答
アンケート調査/学研キッズネット編集部 文/水谷映美 編集/石橋沙織

学研キッズネット編集部

学研キッズネット編集部

学研キッズネット編集部

『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。
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