子どもを伸ばす声かけ/子どもが伸びる家庭の10の習慣【第13回】
「子どもが伸びる家庭の10の習慣」第13回目では、子どもを伸ばす声かけについて考えてみたいと思います。
勉強好きで、積極的で、意欲的な子になってほしい!?
わたしは、お母さんたちとお話をする機会が度々あるのですが、よく話に出るのが、「うちの子ゲームばかりして勉強しないんです」という勉強問題。「ぼーっとしていてやる気がなくて、イライラする」というやる気問題、そして、「内気で引っ込み思案な性格で心配」というような性格問題の3つです。
どうも、お母さんたちは、わが子には「勉強好きで、積極的で、何事にも意欲的に取り組む子ども」
になってほしいと思っているようです。そうですよね。その気持ち分かります。そりゃあ、そんな子だったら、なんにも心配なさそうだし、将来活躍してくれそうですものね。
でも、じゃあ目の前にいるお子さんが、勉強好きじゃなくて、消極的で、やる気を見せなかったら、ダメな子なのでしょうか?
子どもは自ら伸びる力を持っていると信じる
そんなことはないですよね! それに、見方を変えれば、いまはゲームばかりしていて勉強しないけれど、なにかに興味を持ったら集中する力を持っているということかもしれないし。内気で引っ込み思案ということは、慎重で観察力があるのかもしれないし。やる気がなさそうに見えるだけで、もっと他のすごいことを考えているのかもしれないし。
それなのに、ダメな子と決めつけてしまっているとしたら……。もしかしたらわたしたち親は、いま目の前に見えていることだけで判断して、ダメな子と決めつけてしまっているのかもしれません。
でもその結果、子どもの伸びる芽をつぶしてしまっているとしたらどうでしょう。伸びる芽をつぶさないためには、「子どもは伸びる力を持っている」と信じてあげることが大切です。
子どもを育てるのは野菜作りに似ている。
でもね、こういうと必ず、「必ず芽が出てくるという保証があれば待てるけれど、ずっと待っても芽が出てこなかったらどうするんですか?」という待てない問題が出てきます。いつ芽が出てくるかは、そりゃ分かりません。でも芽が出るように働きかけをすることはできますよね。
みなさんは、野菜を育てたことはありますか?
種をまくときには、まずその種類にあった土を用意し、枯らさないように水や肥料をやると思います。でもやりすぎたら枯れちゃうから、タイミングや量も大事ですよね。芽が伸びてきたら、折れないように添え木をしたり、時にはいらない枝のせん定をしたり。それぞれにあった働きかけをして、やっと花が咲き、実がなります。
子どもを育てるのも、こういう作業に似ていると思いませんか? 子どもにあった適切な働きかけをすることで、その子の中にある力を伸ばすことができるのです。
子どもを伸ばす声かけ 子ども自身が考えるような質問をする
力を伸ばす働きかけには、2つあると思います。それは、環境を整えることと、言葉による働きかけです。これまで、子どもを伸ばす環境についてお話をしてきましたので、参考にしてみてください。
今回は、子どもを伸ばす声かけについて、紹介します。
それは、質問するということです。
たとえば、ゲームばかりしていて宿題をしない子どもを見て、みなさんはどんな声をかけますか?
多分「いつまでゲームしているの。早く勉強しなさい」というようなことを言う人が多いのではないでしょうか?
でも、子どもが言われて一番やる気がなくなるのが「勉強しなさい」という言葉だという調査結果もあるくらいで、効果はなさそうです。
質問には、イエスかノーで答えるクローズドクエスチョンといろいろな答えを考えさせるオープンクエスチョンの2種類があります。
「勉強したの?」
これはクローズドクエスチョンですから、答えは“した”か“しない”かしか出てきません。
一方、
「いつするの?」
「どこでするの?」
「どうやってするの?」
と質問すれば、子どもは自然と考え始め、たとえば、「ご飯食べてから」とか「リビングで」とか「お母さんもいっしょに見ててくれたら」とか、なにか自分の考えを言うはずです。
人に言われたのではなく。自分で考えたことだったら、子どもがそのことをやる可能性は高まります。つまり、自分で考えられるような声かけをするということが、子どもを伸ばすコツなのです。
あ、でも親がこの子は立派なメロンになるはずだと思って育てても、きゅうりかもしれません。メロンじゃなかったらダメだと決めつけずに、立派なきゅうりに育ててあげてください。
子どもは一人ひとり、その子なりの良いところを持っています。
ぜひ、「子どもには伸びる力がある」ことを信じて、子ども自身が考えられるような声かけをして、持っている力を伸ばすサポートをしてあげてください。
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