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新しい文房具って、どうやってつくるの?/シリーズ 専門家にきく! 中学生・高校生の声をいかして新しい文房具をつくりだす 学研ステイフル【第1回】(全5回)

新しい文房具って、どうやってつくるの?/シリーズ 専門家にきく! 中学生・高校生の声をいかして新しい文房具をつくりだす 学研ステイフル【第1回】(全5回)

えんぴつ、消しゴム、ノートや暗記シートなど、子どもたちは学校で、そして家庭で、たくさんの文房具を使ってくらしています。文房具は子どもの学びに欠かせない存在で、こだわりの文房具があるお子さんも多いのではないでしょうか。こんな文房具があったらいいな……。そんな学生の思いが形になったのが「学生to」(がくせいと)シリーズです。

(株)学研ステイフルが(株)ロフトとのコラボで開発し、ロフト限定で2016年に発売された「学生to手帳」は、現役の学生の声から生まれた手帳として注目を集め、完売しました。2017年には「学生to」シリーズとしてラインナップを拡大し、 “ありそうでなかった”学生向け文房具として、中高生向けの文房具市場に新風を巻き起こしています。

中高生の声は、いったいどのようなプロセスを経て学生向けの商品に結実していったのでしょうか。「学生to」シリーズの立ち上げからたずさわった営業部ホビー営業課課長代行の中澤達哉さんと商品企画室パーソナル企画課の中丸美乃里さん、広報担当の吉永真紀さんにお話を聞きした第1回(全5回)です。

第1回 新しい文房具って、どうやってつくるの?

渡邉:はじめにお聞きしたいのですが、文房具の開発って、いったいどういうふうに行われるのでしょうか。

吉永:その時代になにがはやっていて、その次になにがはやるかを先読みする必要がありますから、マーケティング・リサーチや分析をして、そこから次の傾向を予測して企画していきます。
いまあるものがどう進化していくか、想像を膨らませながら考えていくことが大事だと思っています。

渡邉:その企画が商品としてできあがるまでに、どういうプロセスがあるのでしょうか。

吉永:文房具にもいろいろな種類があります。
たとえばノートだったり、軸ものと呼ばれるペンだったり、縫製品と呼ばれているペンポーチなど、ものによって生産のプロセスは違いますので、かかる期間も全く違ってきます。

一番大変な縫製品を例にしてみますね。

縫製品は、部材がたくさんあります。このペンポーチであれば、外側の布が2色、ファスナー、内側の生地、タグ、こういったものを組み合わせていくわけです。わたしたちの要求するクオリティにあった工場を探して、指示をこと細かに伝えながら生産しますので、企画・製作の担当者はかなりのやりとりをしますね。

とくにこのペンポーチは、形から考えましたので、型サンプルのチェックがとても大変だったと担当者から聞いています。入れ口がパカッと大きくあくのが特徴なのですが、あきすぎても問題が出てくるので、あきぐあいの調整には苦労したそうです。

入れ口がパカッと大きくあくのが特徴のペンポーチ

中澤:ペンポーチについては、大きさを決めるのもとても苦労しました。もう少し大きいほうが安定するのですが、いまは小さめのペンポーチがトレンドなので、その最大の限界がこのくらいのサイズかな、というところで落ちつきました。色は、ユニセックス、コンサバ系、をイメージして決めました。

営業部ホビー営業課課長代行の中澤達哉さん

渡邉:子ども向けの文房具開発にあたって、大切にしていることはありますか?

吉永:一番大切にしているのは、実際に使っている人たちがどういったものを選んでいるかということです。たとえばノートでいえば選ばれているのはどんなサイズなのか、ケイ線なのか方眼なのか、ケイの太さは……などと研究しています。

実際に売り場の方に売れ筋の情報をうかがったり、社内の売れ行きの傾向を分析したりします。
それから、学生は学校で求められているものがあるわけですよね。たとえば小学生だと、えんぴつの芯も硬すぎないほうがいい。わたしたちは国産のやわらかくて書きやすいえんぴつをめざしています。

渡邉 :このペンポーチは「学生to」(がくせいと)シリーズのものですね。

中澤:はい、そうです。「学生to」シリーズは、株式会社ロフトとわたしたち学研ステイフルのコラボで生まれた、学生向けに特化した文房具のシリーズなんです。現役の学生さんたちの声を聞いて商品開発を進めた、“ありそうでなかった”学生向けの文房具です。

渡邉:新しいシリーズを立ち上げて、いま世の中にない新しいものを出したということですね。どういうきっかけで商品開発がはじまったのか、商品のどんなところに学生の声が生かされているのか、お話をくわしくお聞きしたいと思います。

 

次回の第2回ではロフト、そして現役の学生との協業によって、いままでになかった学生に特化した手帳ができるまでの道のりを聞きます。

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第3回 手帳で中高生の学びをサポートするしかけづくり
第4回 中高生の声を練り上げて、新しい文房具をつくる
第5回 文房具のこれからを考える

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。

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